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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:ネームを見せると編集の方に「小さくまとまっている」という指摘をされるのですが、話をしていても結局どういう事なのかわかりません。小さくまとまっている、というのは一体どういうことなのでしょうか? 見たこと無いヒロインやヒーローが見たいって言われるので、自分では頑張って描いているつもりなのですが。お話もキャラも濃くなく、無難にまとまってしまっているという事でしょうか? 編集さんも一生懸命に話してくださるのですが、しまいには「自分で気付かないことには」と困ってしまわれて、自分がふがいないです。私の感覚がズレまくっているのでしょうか。直すにはどうしたらいいのでしょうか?

A:「小さくまとまっている」と言う時は大抵、ストーリー全体の構成や展開について言っています。単に奇抜さを求めているわけではありません。あなたの言葉で言うと、「無難にまとまっている」というのが一番近いです。ストーリーとして一応まとまってはいるものの、読者の予想を超える意外な展開(事象だけではなく、キャラクターの言動も含めてのもの)というものがなく、ただただ予定調和の展開を見せられるだけの話になっているということです。次にこうなって、こういうことが起こって、このキャラがこう返すのだろうなと読者が思うことがそのまま展開しても読者の感情を動かすことはできません。感情を動かされないということは「つまらない」ということです。読者にページをめくる喜びを与えることこそ作品作りの要諦です。ただ、目先の奇抜さに走ってはいけません。いくら意外性があるかといって、そのキャラクターがしそうもないことをやらせたり、誰も望まない展開に持っていっても、それは読者の期待を裏切ることになってしまいます。面白い作品とは「予想を裏切り期待に応える」ものだということを肝に銘じておきましょう。