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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:キャラを作るときに良いキャラだとは思っても勝手に動いてくれず、どう動かしたらいいのかわからないキャラがいます。私はキャラが動いてくれるのに任せて、作っているのでキャラが動いてくれないと話もうまく作れません。キャラが動き出すにはどうすればいいのでしょう?

A:よく「キャラが勝手に動く」と言いますが、あれは作者側の意識の話で、特別なテクニックがあったり自動筆記のようなオカルト現象が起こったりするわけではありません。作者の調子が良く、するすると筆がのる時の感覚を言っています。これには、作者がキャラをちゃんと把握していないと起こりません。キャラがしっかり固まっていると、あるシチュエーションに置かれた時にそのキャラがどういう行動に出るのか、どういうセリフをしゃべるのがそのキャラらしいのか自ずと決まっています。例えば会話ひとつとっても、主人公がAさんと会話する時とBさんと会話する時とでは、主人公とAさん、Bさんとの互いの立場や関係や性格によって口調も言い回しも語彙も変わってきます。また、同じ内容を話すにしても、周囲の状況や相手の心理状態によっても話し方は変わります。ただ、キャラを把握し、動かし喋らせるには、作者に知識が必要です。40代のおばちゃん、50代のサラリーマン、80代の独居老人といった自分と性別や年齢や境遇の異なるキャラクター、弁護士や医者や刑事のような専門職のキャラクターを把握するには自分の経験だけでは足りず、取材や参考文献、映画・小説・ドキュメンタリー等の作品を自分の「引き出し」に蓄積しておかなければなりません。そうした条件が整った時に「キャラが勝手に動く」のです。