日本はおろか世界中にコアなファンが存在する劇画界のカリスマ・池上遼一先生。その池上先生と武論尊こと史村翔先生とのコンビは、名作『サンクチュアリ』から始まり小学館漫画賞を受賞した現在の『HEAT』に至るまで、10数年の歳月の中で4つの連載作品をビッグコミックスペリオール誌で紡ぎ出し続けてきた。溢れる漫画エナジーが熱い! 二人合わせて110ン歳(失礼!)を超えるビッグコンビは、いかにその時を歩んで来たのか? 武論尊先生のお話をお楽しみください。
(取材日/2004.1.31 写真/茨城県鹿嶋市、ゲストルーム前の砂浜にて)

●池上遼一先生との最初の出会いは?

えーっとね…、
読み切りを2本やっているのよ。
小学館のビッグコミックで『傷痕(THE SCAR)』って
読み切り(前後編)をやって、その後、週刊少年サンデーかな?
ちょっとSFチックな読み切りを1本やって…、
もう、ずいぶん昔の話だよね。

【編集メモ】

*『傷痕(THE SCAR)』1979(S54)年 小学館 ビッグコミック 11月10日号、11月25日号 漫画/池上遼一
  *小学館『池上遼一 幻の傑作選 ジム』収録


多分、『ファントム無頼』をやってるころだと思う。
あぁ、池上先生とやりたいなって言ったら…、
読み切りをやらせてもらって。
でも…、ビッグコミックの読み切りが…、
ほら、ビッグコミックって大人しい雑誌でしょ。
なのに、いきなりラブシーンから入っちゃったの。
そのシーン、それがものすごくひんしゅく買って、
おまえ、ビッグコミックをなんだと思ってんだってね、
それで、ちょっともめたのはある。

それが原因かどうかはわからないけど、
ビッグコミック、それ以来まだ1回も仕事来ないなぁ(笑)。
で、そのあと、少年サンデーの読み切りをやったのかな。


●先生から見て、そのころの池上先生はどんな作家さんでしたか?

男組』が終わって、多分、空いてたんじゃないかな。
それでちょっと読み切りをやってみようって、
そういうことだったと思う。

原作者、誰でもそうだったと思うけど、
池上先生っていうのは、
原作者だったら誰でも組んでみたい作家だから、
それはもうリキ入ったし、
ヘタなもの書けないって思ってやったんだけど、
いきなり周りに怒られちゃったしな(笑)。
リキ入りすぎてな。
いきなり、フェラチオシーンだったからな…。


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