【質問と解答】

Q:1)漫画を描き始めてちょうど4年ほど経ち現在20歳です。ストーリーをどうしたら上手く作れるか悩んでいます。ストーリーや描きたいキャラ、シーンが発想では浮かぶのですが、いざ形にするとなるといつも上手く形に出来ません。ネームを見てもらっている人からも発想は良いのにねと発想止まりの評価をされます。このせいで年に3〜4本しかネームを完成させる事が出来ないような状態になってしまっており、最近は自分にはエピソードを作る才能が無いのかもしれないとやる気まで削がれている状況です。色々なストーリー作りの方法論を学んだりしているのですが、一向に状況を打破できません。どうしたら良いのでしょうか?

2)どんな話を描くのが一番良いのか、悩んでいます。成長する為には短いページ数(31ページとか)で数を描くのが一番良いのではないかと考えて話を練っているのですが、描きたいと思うものはいつも50ページレベルの物が多く、今まで自分が描きたいものを優先しすぎてきた事も、この数年成長が止まってしまっている原因なのでは無いかと思っています。成長することを一番の目標にして、あまり乗り気ではなくても短いページの漫画を描きつづけた方が良いのでしょうか?

3)私には今現在、何年か漫画を見ていただいている編集の方がいます。編集の方の言う事も正しく、きっと有能な方なのだろうと思う局面も多いのですが、どこか馬が合わないように感じながらやりとりをしています。人のせいではないことも重々承知なのですが、丁度自分の成長が止まった時期も重なっているような気もしています。長年見ていただいている事を考えて、この人についていって芽を出したいという想いがある一方で、いっそ思い切って他に行くべきなんじゃないかと感じている自分もいて、どうすべきか悩んでいます。 


A:1)「担当」という言葉が質問に出てこないので気になったのですが、「ネームを見てもらっている人」というのは、担当さんではないのでしょうか? 3)の質問でも「編集の方」という言い方をして「担当」とは書いていませんね。もし、担当編集者であれば、この質問はまずその方にすべきでしょう。  どういうジャンルの作品を描いているのかも不明なので、具体的な例をあげてアドバイスをすることができませんが、 エピソードを作れないのはあなたの中に引き出しが少ないからです。引き出しを増やすには、とにかく取材と資料調べしかありません。最初の発想があるなら、その発想を生かせる舞台を考えます。あとは、その作品舞台に関して取材と資料調べを徹底的にしましょう。そこで得られた知識や体験がエピソードの材料になるはずです。

2)描きたい話のネームも切れないのに、乗り気でもない話が作れるわけがありません。練習作と割り切って短い話を描くにしても、自分が面白い、描きたいと納得できるものにしましょう。それに、読み切りならまず16Pでまとめるのが基本です。その16Pに、「自分はこんな絵が描きたいんだ」「こんな世界観が好きなんだ」「こんなキャラのこういう言動が魅力的だろう?」を目一杯絞り込んで詰め込んでください。あれも入れよう、これも入れなくちゃと50P、60P描いても描ききれていなかった、自分が読者に受け取ってもらいたいものと、それを読者にどう伝えるべきかを再認識できると思います。

3)ウマが合わないというのが、対人的な相性によるものなのか、指導方針への不信なのかわかりませんが、自分の中ではすでに結論は出ているのではありませんか? ただその前に、互いのやりとりが不足していたのかもと感じているのでしたら、一度とことん話し合ってからでも遅くはありません。