【質問と解答】

Q:ネーム作家か、漫画家かどちらを目指すか悩んでいます。私はアイディアを出すのが得意で、次々に描きたい話が浮かびます。一応今は漫画家のほうを目指しているのですが、現在描いているのが長編で、私は執筆がとても遅いためなかなか完成できません。普通の人が1時間でできることを私は3時間かかります。ネーム作家はどのぐらいのペースで描かなければいけないのですか? 月刊の場合と週刊の場合をそれぞれ教えて下さい。ちなみにペースの遅さは、53Pを6か月(初投稿)、ネーム応募(43P)を3週間とちょっとでやりました。  絵はもともと好きで、高校は美術系でした。時間はかかりますが、作画もしろと言われればやれます。ただ浮かぶアイディアに漫画を描くペースがついていきません。そしてそこそこ絵が描けるので、もしネーム作家になったとしても作画の方に「もうちょっとここはこうしてほしい」など注文をしてしまいそうです。週刊となるときついので月刊を目指そうかなとも思うのですが、月刊はどれぐらいのペースで原稿を上げますか? 漫画家はハードなので、大人になって体を壊しても嫌だなあとも思います。私が漫画家ではなくネーム作家になろうとするのは逃げなのでしょうか? 私が言っていることはただの甘えなのでしょうか? どっちを目指せばいいのかがわかりません。


A:こ連載のペースは、週刊なら1週間、月刊なら1か月というのは当たり前の話ですよね。ただし、それはリテイク(1回とは限りません2回、3回とリテイクが出ることもあります)や担当編集との打ち合わせ(その回の事前に行う前打ち合わせ、リテイクごとの打ち合わせ)の日程も含みます。また、取材や資料集めが必要な題材なら、それらに要する日程も組み込まなければなりません。  結論から言うと、絵が描けるなら今は漫画家を目指して投稿したほうがいいでしょう。ネーム原作の新人賞の数は限られていますから、プロを目指すのならまずは漫画家として投稿するほうが雑誌の選択肢は広がります。ネーム原作者になるにしても、新人漫画家として担当編集者がついてから、その方と相談すればいいことです。あなたがネーム原作者向きか漫画家向きか判断してくれるでしょう。質問文からすると投稿歴もあまりなさそうですし、今から執筆ペースについて諦めてしまうのも早計かと思います。

ちなみに、ネーム原作で連載をとれたとしても(各話のページによりますが)連載一本では食べていけません。原稿料が漫画より低いのは当然ですが、印税率も漫画の印税の1/3以下になります。将来的には、他編集部にも営業をかけて複数の連載を持つか、兼業作家になるかを考えておいたほうがいいのではないでしょうか。