【質問と解答】

Q:少年誌で担当が付いて二年目の新人投稿者です。担当が付いてくださったのは最終選考作品でした。ありがたくお声をかけていただき、それから担当さんと一緒に二作品描きあげ、ようやく奨励賞ではありますが入賞することができました。しかし、私は28歳ともう若くもないため後2〜3年でデビューしないと厳しいとも言われています。担当さんは「一番下の賞とはいえ編集部内で認めてもらえたわけなので頑張りましょう」と言ってくださってはいるのですが、不安もあります。質問させて頂きたいのは年齢によってこの先バッサリと切られてしまうかどうかです。もしこの先2〜3年が経過してもデビューできなかった場合は30歳となった時点で編集側からもうこの雑誌でのデビューは無理です。という風に言われてしまうものなのでしょうか? もちろん、次回作は奨励賞よりも上の賞を目指すつもりではあります。しかし、どうしても気になってしまいます。たとえ担当編集がついて、一応入賞もしている新人を年齢が30歳になっているという理由でバッサリ切り捨ててしまうものなのか知りたいです。是非教えてください。


A:別にあなたが30歳になった日に「じゃあここまで」と言われるわけではありません。30歳というのはあくまで目安で、それまでにデビューできていなくとも新人賞の上位入賞を果たしてデビューの目安がついていれば問題ありません。2〜3年というのは短い時間ではありません。逆に問いますが、それまでにデビューしなければ何歳でデビューするつもりなんでしょう? デビューはゴールではありません。少年誌では読み切り専門作家というのはないので、プロ、つまり職業漫画家として生計を立てるには連載作家を目指さなければなりませんが、デビューから連載獲得までの道のりを考えれば30歳という区切りが決して早くないと理解できるはずです。また、30歳ともなれば、あなたにとっても生涯設計を考えなければならない時期です。漫画家というのは小説家と異なり兼業でやっていける職業ではありません。また、連載ともなればアシスタントを雇っての作業になりますが、そうなると家族との同居や結婚等の家庭環境にも関わってきます。その際に、職業漫画家として生計を立てられる可能性としてのプロデビューは人生の選択肢の大きな判断材料になるはずです。そうした意味で、担当さんが示唆してくれたデビュー目標年までの2〜3年という期間を漫画家への夢のために大切にしてください。