【質問と解答】

Q:表現したい内容とネームのギャップに悩んでいます。近頃なかなかネームが通らず、全没が続いています。そのせいなのかはわかりませんが、自分が表現したい内容がネームに反映できなくなりました。企画の段階では、「このキャラのこんなシーン、かかわり合いが描きたい! こんなことを表現したい! キャラも相性いいし、このネームはいける!」と思っていても、いざネームにしてみるとあまりに下手なネームにすぐに冷めた目で作品を見つめてしまい、これは感動できると思っていた場面も「なんだこの茶番は」と思えてしまいます。なので、ネームを切っている段階で「もう没でもいいけど、締め切りあるし一応描こう。面倒だな」という、企画の段階では考えられないくらい後ろ向きな姿勢になってしまいます。そんな投げやりな感情がネームに反映されてしまっているのも、なかなかネームが通らない理由のひとつだと思います。それならば自分の理想を反映できるネームを描けばいいだけの話ですが、ネームを上達させようにも方法がわかりません。やはり数をこなすしかないのでしょうか?



A:経験を積むことは大事ですが、ただむやみに数をこなせばいいというものではなく、1作1作丁寧に作っていかなければ経験にはなりえません。あなたの場合、感動シーンも自分で茶番と思えるほど白けてしまうということですから、おそらく構成以前にそこまでのエピソードに説得力が足りないのだと考えられます。フィクションでのリアルがあるかどうか、キャラクターの感情や行動に説得力があるかどうかを考えたエピソード作りを心がけてください。また、エピソードの舞台や題材次第では取材は足りているかどうか、自分が描きうるエピソードに対して作品のテーマが背伸びしすぎていないかどうかも考えてみましょう。