【質問と解答】

Q:アシスタントを雇うべきか否かで悩んでいます。担当さんや普通に人と会話したり、何か行動を共にすることは普通にできますが、絵を描いたり自分の世界で頭を使って作業をしたりしている際に、他人とスペースを共有して会話されたり、しながら作業できるか不安です。アシスタントを雇ったせいでむしろ仕事が全く進まない、絵が崩れる、同時進行でしていたアイディアを出す作業などが全くできなくなるのではないか、自分の世界が喪失されてしまうのではないかと不安です。そういう理由でアシスタントを雇わない漫画家先生とかっていらっしゃるのでしょうか。自分で出来る範囲の原稿描き込み、トーンレベルで妥協してでも、自分での作業を守り抜く方が自分にはベストなのでしょうか。




A:誰しも自分一人で作品を描くことができるならそれがベストに決まっています。一から十まで作品のクオリティーを管理できるのですから。実際、手の速い作家さんはアシスタントを使わない方もいます。ただし、それは月刊連載の方くらいで、週刊連載だとほとんどいません。週刊連載だと16〜24Pを2〜3日で白紙の状態から完成原稿まで持っていかなくてはならないので、背景作画や仕上げも考えると一人の作業では追いつきません。とはいえ、あなたのように頭を使う作業をしている時にアシスタントが同じ部屋にいると集中できないという人間もまたたくさんいます。別の作品のネームを切ったり担当編集と電話打ち合わせをしている時に他人が周囲にいると集中できない、という気持ちはよくわかります。そういう方はアシスタントとは仕事部屋を別にするのです。ワンルームの場合はパーティションで区切って個人スペースを確保し、ヘッドホンでBGMを流して周囲の音を遮断するのも手です。アシスタントを雇いたくないからといって作品のクオリティーで妥協してはいけません。アシスタントを雇わなくていい仕事ペースを維持するか、アシスタントを雇っても自分の集中力が乱されない環境を作るか、どちらかで工夫してください。