【質問と解答】

Q: 1)自分が描きたいものや表現したいこと、ストーリーの大枠は頭の中でだいたいイメージできているのに、いざネームを切るとなると勢いがないなとか全然面白くないとか、絵柄がイメージと合わないとか考え込んでしまい途端に行き詰まってしまいます。どうしたら良いでしょうか?

  2)自分の漫画にはどうしても独創性がないというか奇抜さがないと言われたのですが、独創性はともかく、奇抜さみたいなものは必要ですか? 私は安心して読み進められるストーリーやコマ割りが好きなのですが、自分の漫画に対する意識や理想を優先してはいけないのでしょうか?




A: 1)「頭の中でイメージできている」というものほど当てにできないものはありません。イメージは形にしてやらないと本当にできているわけではないのです。ネームにかかる前にまずはキャラ設定を絵に起こしてイメージを固め、プロットを書き出してドラマの流れを把握し細部を煮詰めていくことをちゃんとしましょう。土台ができていないのにいきなり組み立てようとするから行き詰まるのです。

  2)誰から言われたのかわかりませんが、「奇抜さ」という表現が悪いですね。おそらく、作品のフック(読者の興味をひく要素)となる特徴のことを指しているのだと思われます。漫画作品は世の中に山ほどあふれているのに、読者は漫画以外にも学業や仕事、交遊、趣味に時間を割り振らなければならないわけです。すでにファンが大勢ついているメジャー作家の作品でもなければ、たくさんの作品群に埋没して読んでもらうことすら困難なわけです。「読めば面白い」だけでは駄目で、その前にまず手に取ってもらうこと、ページを開いてもらうことが重要課題となります。そのための手がかりは、コミックスでも雑誌の予告でも一枚のイラストとタイトル、キャッチコピーのみです。そこに何の変哲もないタイトル、特徴に乏しいキャラクター、当たり前のストーリーのコピーが並んでいれば、どんなに内容が面白かろうと読んでもらう前に終了です。ですから、キャラクターでも設定でもタイトルでも、読者に手にとらせるだけのフックを持たせるようにしましょう。