【質問と解答】

Q:画力も人間の身体みたいに成長の大きい時期や期間があるものですか? 自分は中学生ですが、漫画を真剣に描いてきた年数だけいえば、雑誌に読み切りを掲載している新人が自己紹介欄に描いてある漫画歴より長いことがあります。最近、画力の伸び方が以前よりゆっくりになってきた気がします。そこで、自分なりに解釈した考えは三つあります。
1)年齢的に伸びやすい時期が終わった。
2)漫画に取り組み始めてからの経験値的な意味で、最も伸びる時期が過ぎた。
3)デッサン力を鍛えるなど、より細かく意識して描かないと大きな変化は得られない域に到達した。
この三つです。私的には多分3)はまずないと思いますが、一応書いておきました。自分が結果を急ぎすぎているのかもしれませんが、実際のところはどうでしょうか?




A:画力の伸び止まりの分析としてはなかなか冷静なものですね。実際、大別すればその3つの理由になるでしょう。ただし、中学生で画力の成長が止まるということは、年齢的にも、漫画歴的にもありえません。それでも以前よりも伸びが緩やかに感じられるようになったとしたら、それはあなたの中で絵(漫画)のスタイルがある程度固まってきたからだと考えられます。自分のスタイルができるのは基本的にはいいことなのですが、あまり早い段階で固まってしまうと、それ以上のステージへの成長が難しくなってしまうことがあります。そういう方は、今まで自己流のセンスでやってきたところを、ちゃんと絵の技法を基礎から学ぶことで、停滞を脱することが出来るかもしれません。場合によっては、一度固まったスタイルを壊して新たに作り直す必要があるかもしれませんが、それにはリスクが伴いますので、担当編集がついているなら意見を聞いた上で取り組んでください。