【質問と解答】

Q:新人賞を受賞したので担当が付き、その担当とは上手くやっていました。ネームのFAXの返信も3日以内、変更点を的確かつ率直に指摘していただき、未デビューながら常に入賞していました。しかし、その担当が半年ばかりのお休みをされることになり、代わりの担当がつきました。新しい担当はFAXの返事は良くて1週間後、ひどいときは2週間で、しかも大抵意見がまとまっていません。その担当のアドバイスを元に作品制作するようになって後、新人賞の成績は下降する一方です。漫画の作品作りに対するモチベーションが低すぎて、もうその新担当とは関わりたくありません。そんなモチベーションで漫画制作に携わっている人がいるのは残念です。

1)こういった場合、元の担当さんが帰って来るのを待つべきでしょうか? そして再び同じ担当に戻る可能性はあるのでしょうか?

2)社会人としてこの担当の3〜4か月の態度を注意すべき、もしくはFAXなどの返事を3日以内にしてくれるよう話すべきでしょうか? 未デビューのため、強気に出てよいか分かりません。しかし未デビューだからといって時間が膨大にあるわけでもありません。




A:1)前の担当さんが半年休みを取った理由が記されていませんので、何とも言えません。半年の期間限定の海外出張や社外出向とかでしたら編集部に戻り次第担当に戻ってもらえる可能性はありますが、病気療養とかでしたら職場復帰自体未確定でしょう。

 2)おそらく今の担当さんは、前の担当さんの休職(?)に伴い、機械的に担当に割り振られたのでしょう。自ら希望してなった前の担当さんと異なり、今の担当さんはあなたに対して何の思い入れもないまま担当になったのですから、最初から前の担当さんと同じ対応を求めても無駄で、一から関係を築かなければなりませんでした。最初に自分の手持ちの札をすべてさらし、自分の作品や作家性の魅力を知ってもらうところから始めるべきでした。だからといって今の担当さんの無気力な応対を弁護するわけではありませんが、今後のためにあえて担当交替に伴うリスクと心構えを述べました。
さて、今後の対応ですが、ネームの返事を早めてもらうことは当然の要求としてきちんと話してください。その際に他のこれまでの不満点、改善してほしい点を述べるのは構いませんが、決して感情的になったり詰問口調になったりしないよう注意してください。そのためには、電話での話なら言うべきことをあらかじめ紙に書き出しておいて、感情を抑えて親しげに聞こえるように話しましょう。直接の打ち合わせの場でしたら、事前に何度も会話をシミュレートしておき、頭に叩き込んで感情に流されないようにしましょう。編集者と作家の関係も結局は「人間関係」ですから、嫌悪の情をぶつければ嫌悪と反発で返ってきますし、好意と親愛で接すれば大抵は友好的な対応が望めます。それでも納得の行く返答が得られない場合は、関係修繕は不可能と判断し、最悪編集部と縁を切ることも覚悟して担当替えを申し出てください。