【質問と解答】

Q:1)漫画の編集者さんたちは、新人さんなどからプロットやネームを送られてきて、どうアドバイスしていいのか難しい場合でも改善案などを一人で考えるのでしょうか? それとも他の編集者さんと相談したりするのでしょうか? 編集長さんに相談したりするのでしょうか? 
 2)編集長さんのお仕事っていうのは何をされているのでしょうか?




A:1)新人のネームやプロットの検討は、ベテランなら一人で行い、編集者歴の浅い者は迷った場合は先輩編集者や同輩に相談するのが普通です。編集長が見るのは、雑誌企画としてネームが形になってからです。そこで、「採用」「修正方針を示して再提出」「没」という判断を下します。
 2)編集部の収支および刊行物の内容のすべてに最終責任を負うのが編集長です。ですから、雑誌の編集業務全般、編集部の運営すべてが編集長の仕事といえます。ただし、それらすべての仕事を全部やっていたのでは一人の人間のキャパシティを越えてしまいます。ですから、編集部の規模によって、編集長の業務範囲は異なってきます。たとえば、2〜3人規模の編集部だと編集長自ら複数の作品を担当しますし、数十人規模の編集部だと雑誌全体の編集方針の舵取りと部内の人員管理、編集部の予算管理、他部署との折衝等で手一杯となり、個々の作品の編集業務には直接タッチすることはありません。編集長の仕事内容を具体的に書き出すとかなり長くなるので、作家さんに直接関係するところだけ述べておきます。なお、前述のように編集部の規模によって異なり、副編集長や次長に業務が割り振られます。
・各編集部員から提出された設定書とネームを検討して連載企画・読み切り企画の最終決定
・メディアミックス等の大規模企画や長期的方針の決定
・雑誌の編成
・雑誌の顔である表紙担当(表紙イラストの指名含む)
・宣伝部と協議して雑誌全体のフェアの企画・立案
・販売部と協議して単行本の部数決定
・担当指名、担当交代の指示
・原稿料の決定
・雑誌の責了(責任校了)※過度の性表現や暴力表現、残虐描写、差別表現等のチェックもこの段階で行います。
・連載作品の展開や描写の指示(特に新人作家や企画ものの担当に対してですが、雑誌のカラーや方針に応じてここを売りにしてほしい、この展開は軌道修正してほしいという指示をします)

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