【質問と解答】

Q:デビューを目指して持ち込みをしている者です。現在ネームAを担当さんに気に入っていただき、練り直す形で同じプロットを使って3回完成原稿に描き直しております(最終的には年一回規模に行われる"X賞"に応募すると聞きました)。
 先月その打ち合わせの際、一緒に持っていた古い原稿Bがたまたま話題になり、気に入っていただき、先月Y賞(月刊賞のような感じです)に入賞して雑誌に載りました。それまでは電話で打ち合わせのアポをとり、実際に話し合って連絡をとっていたのですが、「忙しいのでこれからはメールで原稿を送って欲しい」と言われるようになりました。その電話を受けた後にメールアドレスを聞いてないことに気づき、原稿を送るためアドレスを教えて欲しいという旨で編集部に電話すると、多忙で不在の一点張りで担当さんに連絡がつかなくなってしまいました。2週間かけて3回同様の電話のやりとりがありました。「折り返す」と言われた時に、申し訳ないという気持ちから「こちらからまたかけなおします」と言ってしまったということもあり、非常に不安です。「年末進行」という言葉もあるぐらいですので、やはりこの時期は編集者の方は本当に忙しくて席を外しているものなのでしょうか。それとも読者アンケートがイマイチだったために(これは電話で聞きました。古い原稿だししょうがない、もっと頑張ろう的な内容でした)、避けられてるのでしょうか? しつこく編集部に電話をするのは良くないと思うのですが、食い下がるべきなのでしょうか。
 デビューもしていない漫画家見習いが焦って原稿を見てもらう必要もないという気持ちと、3回も書き直した自分の原稿を早く見て欲しいという気持ちがあります。ですが、やはりせっかくの完成原稿が宙ぶらりんな感じになっているのはとても辛いです。本当に忙しいに違いない、と信じて一度正月があけてからもう一度電話したいと思っています。担当の方が一般的に余裕が出る期間も(主に正月明けごろにございましたら)、教えていただければ幸いです。




A:おそらくは、原稿Bのアンケート結果とは関係なく、本当に忙しくて外出したり、社内にいても席を外したりしているのでしょう。雑誌の発行形態(週刊誌、隔週誌、月刊誌など)や発売日にもよりますが、年末はいわゆる「年末進行」で、年明けは年明けで冬期休暇でたまっていた仕事の処理に追われることになります。
 週刊誌(いくつかの隔週誌も)だと合併号がありますので、年末進行はほとんど関係がないのですが、年明けの校了のための打ち合わせは先行させないといけませんし、コミックスや増刊号も担当していれば年末進行が関係してきます。月刊誌だと年末は、月の上旬〜中旬発売の雑誌で1週間から10日程度の進行の前倒し、下旬発売の雑誌で2〜3日程度の前倒しとなります。また、月の中旬〜下旬発売の雑誌は年始すぐに校了体制になるのですが、これも三が日を含む冬期休暇のしわよせで大変な忙しさです。さらにそうした通常業務の他に年末年始は、忘年会や新年会、年賀状や年始の挨拶も多忙の理由です。会社勤めの経験がないとわからないかもしれませんが、忘年会や新年会といっても身内(編集部員同士)のそれは1日だけで、その他は作家さんや関連会社への接待や付き合いといった「仕事」なのです。ある程度の役職がつくと、年末などは連日のように夜は忘年会で拘束されてしまい、デスクワークや打ち合わせも日中しかできなくなります。
 そうした年末年始の殺人的な多忙状態が一段落するのは1月の半ば頃です。年始の挨拶程度ならともかく、本格的な打ち合わせを望むなら、それ以降に連絡するのがいいでしょうね。ところで、担当さんとは何度も会って打ち合わせをしているようですが、一度も名刺をもらってないのでしょうか? 名刺にはメールアドレスも記載されているはずです。

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