【質問と解答】

Q:デビュー4年目で増刊に読み切り数本しか掲載されていない、消えそうな新人です。僕はアシスタントをしていますが、アシスタントでは1週間不眠不休で泊まり込みの仕事場なので、心身ともに非常に疲弊します。もう正直アシをやめたいです。アシを一切やらないと、編集者から嫌われ、仕事をもらえなくなってしまうというのは本当ですか?
 デビューして4年があっという間に経ってしまいましたが、一度も本誌に掲載されたことがありません。まわりはデビュー後数作で、あっという間に本誌に掲載されたりしていて、心苦しいです。こんな作家でもいつかチャンスはかならずくると信じているのは馬鹿らしいでしょうか?
 もう諦めて就職活動した方がいいのか、毎日泣きながらネームを切っています。本誌、増刊、雑誌での掲載順は人気順(たまに例外もあるが)と聞くことがありますが、本当なのでしょうか。僕の漫画はいつもうしろから数えたほうが早い位置に載っているので、それを言われたときはもう何も言えなかったです。




A:漫画のアシスタントは、連載漫画家を目指す新人や投稿者にとっては、自分のスキルを上げつつ生活費を稼ぐための手段です。決して仕事をもらうのと引き替えに嫌々やらされる労働ではありません。
 アシスタント先の待遇や仕事環境に不満があったり、アシスタントの仕事が負担で自分の作品が描けないようなら、辞めてしまっていっこうに構いません。それで漫画の仕事がもらえなくなるくらいなら、はじめから、その編集部にとってあなたはアシスタント要員としてしかみられていないということですから、何年そこでやっていても無駄でしょう。
 それに、漫画家自身だけならともかく、アシスタントに1週間不眠不休の泊まり込みを強制するような仕事場の体制はかなり問題です。今のアシスタント先が担当さんからの紹介によるものでしたら、アシスタントを辞めるか、他の仕事先に移りたい旨を申し出て相談に乗ってもらいましょう。
 4年間本誌に掲載されたことがない点については、週刊漫画誌ならそれくらいの下積みは普通にあることです。月刊誌だと、確かにそろそろ芽が出ても‥‥という頃ではありますが。いずれにしてもデビューから4年と言えば、この先雑誌で連載がとれる可能性があるかどうかのビジョンが見えていていい時期ですので、一度担当さんに雑誌(編集部)内での自分の立ち位置と担当さん自身の率直な評価を聞いてみてはいかがでしょうか。
 そして、アシスタントの件にしても本誌掲載の可能性にしても、担当さんから誠実な回答が得られないようなら、今からでも他誌へ投稿してやり直すことを考えたほうがいいでしょう。
 最後に雑誌の掲載順と人気についてですが、確かに関係があります。毎号の雑誌の編成に変化をもたせるために順番を入れ替えたりしますから、掲載順と人気が完全に一致しているわけではありませんが、雑誌の顔となるような人気タイトルや、推していきたい作品を目立つ前のほうに持ってくるのは戦略上当然のことです。ただ、雑誌の方針にもよりますが、巻末については必ずしも人気最下位の作品というわけではなく、雑誌の締めとして読み応えのある中堅作品を持ってくることも多いです。


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