【質問と解答】

Q:担当から見捨てられるとは具体的にどういう状態なのでしょうか? 掲載もされていない新人が担当から見捨てられるということはよくある事なのですか?


A:半年以上互いに連絡が絶えたり、(同じ編集者としてやってはならないことだと思いますが)ネームを送っても返事がなかったりすることです。
 前者は催促してもネームをなかなか送ってこない場合がほとんどで、たいてい新人側のほうに問題があります。最初の2〜3回は担当が進行状況を聞いたりする電話やメールを入れますが、不通や返信無しが続いたり、電話には出てもネームを上げてこないまま間が開くと、やる気がないと見なすようになり、連絡を入れることがないまま時が経って忘れされられます。ネームが遅れる正当な事情があるなら、メールでもいいですから理由を説明して待ってもらうようにお願いしましょう。
 後者は何度ネームのやりとりをしても成長が見られなかったり、打ち合わせの内容を再提出したネームに反映してこないいことが続いたりする場合によくあり、返事がだんだん遅れるようになって、やがて途絶します。もちろん、ネームを送っても返事を返さない編集者が悪いのですが、そうさせてしまう新人側のほうにも問題がないわけではありません。プロの現場では、どんなに努力をしても結果を出さなければ評価されません。自分では努力をしたつもりでも、まだまだ努力が足りなかったのか、間違った方向の努力をしてしまっていると考えてください。担当は作家の作品の「最初の読者」であり、しかも作家に対して好意的な「味方」です。その最初の読者ですら納得させられなくて、雑誌の読者に通用するでしょうか。そして、その担当も失望を味わい続ければやがて味方であることをやめてしまう、そういうことです。
 新人賞を受賞したての新人であろうと「新人」であることに甘えてはいけません。賞を獲って担当がついたときから、何年もプロをやっている先生方と同じ土俵に立っているのです。担当は助言はしてくれますが、結局のところ自分を引き上げるのは己自身でしかありません。打ち合わせの内容を無視して迷走したネームはもちろん駄目ですが、担当に言われたとおりの直ししかしてこないのもプロとしては志が低いと言わざるを得ません。助言の意図を咀嚼しつつ、期待以上のネームを上げてこそ、担当から信頼され尊敬される「作家」たり得るのです。そういう「作家」であれば、担当から見捨てられるなどということとは無縁となります。

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