【質問と解答】

Q:大ヒットは誰が見ても分かりますが、業界で「ヒットした」といえる目安は何でしょうか?
やはり雑誌の人気アンケートというよりは単行本の売り上げでしょうか? 何部くらい売れればヒットといえるのでしょうか?



A:「ヒット作」といえば、単行本の部数が大きい作品を指すのが普通です。雑誌のアンケートの上位作は「人気作」や「話題作」とは呼ばれても、アンケート結果だけを指して「ヒット作」とは言いません。編集者の視点で言えば、部数的には1巻あたり10万部以上くらいが目安でしょうか。とはいえ、明確な基準はありません。掲載誌によっても変わってきます。3万部の雑誌に掲載作のコミックス10万部と200万部の雑誌の掲載作の10万部とでは持つ重みが異なります。1巻あたり100万部超のタイトルが並ぶジャンプ作品の中では10万部はヒットとみなしていいかどうか微妙でしょう。ですが、マイナー誌では十分ヒット作と言っていい部数です。もっとも、10万部程度では漫画ファンには認知されていても一般的な認知度は皆無に近いです。深夜アニメや衛星アニメではなく一般の人にも認知されるような映像化、つまり地上波のゴールデンタイムに放映されたり映画化して全国ロードショーされるような漫画作品となると部数は1巻あたり30万部以上になっているはずです。ですから、特に漫画ファンでもない一般の人々の視点で言うとそのあたりからがヒット作とみなされる部数なのではないでしょうか。

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