【質問と解答】

Q:何度か持ち込みをし、何も賞をとっていない状態なのですが、この間の持ち込みの際に編集者の方がネームから見ましょうと言ってくださいました。僕としては願ってもないことなのですが、友人に話したところ、「君はその人にアシスタント先も紹介してもらって働いているし、何の賞も取っていないう ちからその人に借りを作りすぎている。借りは返さなくてはならないのが世の常識だ。編集者の人はクライアントという上の立場の人であり、このまま行くと、今後君はずっとその編集者の人の言う通りに作品を作るしかなくなり、もし逆らえば“何のメリットもない一志望者の段階から色々手を貸してやったのに、気に食わない”という理由で掲載や連載の機会を失うことも十分にあり得 るだろう。業界は個人の感情ひとつでいくらでも契約は打ち切られるものなのだ。ネームを見てもらうのは、せめて賞を取って自分の実力を示し、編集者の人と(多少でも)対等になってからにするべきだ」と言われました。僕は友人のようにちゃんと社会に出て働いている訳ではなく、思ってもみなかった友人の言葉に不安を覚えています。デビュー後、編集者の方の意に沿わない作品を作るなど、少しでも逆らったりすると、その雑誌から干されるのものなのでしょうか? ネームを見てもらうのは賞を取って、正式に担当になってもらってからにしたほうが良いでしょうか?


A:はっきり言ってしまうと、個人的感情で新人を雑誌から干すような編集者は投稿者のうちからから担当していようと新人賞を受賞してから担当していようと同じ事をします。見込みのありそうな新人に、投稿者のうちから担当としてついて指導するというのは、一種の投資であり、「貸し」だとは考えていません。もちろん、そうした編集者に対し恩義を感じ、借りを返したいという気持ちはうれしく感じますし、そういう気持ちを持つことは社会人(学生であっても新人漫画家という立場としては社会に出ているとみなされます)として大事なことだと思います。しかし、そうした「借り」を作ったからからといって必要以上に編集者におもねったり負い目をを感じたりする必要はありません。あなたが良い作品を作って新人賞を獲ること、さらにはデビューし連載することが借りを返すことなのですから。その編集者さんが嫌いで担当になって欲しくないと思っているなら別ですが、ネームを見てもらう機会があればどんどん利用しましょう。

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