【質問と解答】

Q:アシスタントについてお聞きします。私は少年誌でプロを目指しています。アシスタントには必ず入ったほうがいい、と担当者の方に言われたのですが、前々から疑問に思っていたことがあり ます。ストーリー漫画とギャグ漫画の先生のところ、もしくは絵がすごくうまい先生とそうでない先生のところに入るのでは、学べる技術に差があるのでしょうか? 実は今、前々から好きな作家さんがアシスタントを募集しているので、応募してみようか迷っているのですが、その方はギャグ漫画の作家さんなんです。友達に相談したら、絶対ストーリー漫画の先生のところにいくべきだよと言われたのですが、実際のところ違いはあるのでしょうか?


A:作画、コマ割り、演出、ストーリー構成の技術はストーリー漫画とギャグ漫画とでは違うところがたくさんあります。また、プロにもいろいろな絵柄の方がいますから、例えば背景にしてもトーンをたくさん使う人、トーンをほとんど使わずタッチだけで描く人、線とスミベタだけで描写する人と様々です。ですから、長期で入るにはなるべく自分の目指す絵柄や作風に近い先生についたほうが技術を学ぶ上ではベターでしょう。もっとも、希望どおりの先生のところに入れるとは限りませんし、作風が近いと必要以上に影響を受けてしまい先生の亜流になってしまう恐れもあります。一方で、アシスタントへの指示出しの仕方やスタジオ運営、プロとしての心構えなど、どの仕事場に行っても学べることは多いですし、基本的な部分では漫画の技法は共通しています。ですから、希望の先生のところでなくてもアシスタントは一度は経験しておくほうがいいです。ただ、気をつけておいてほしいのは、漫画のスタジオというのは学校ではなく、アシスタントも学生ではないということです。授業料を払って通っているのではなく、働いてお金をもらう「仕事」なのです。学ぶという心構えを持つのはいいのですが、締め切りに追われて作業している中、向こうから手取り足取り教えてくれる先生はまれです。命じられた作業の中で不明な点があれば頭を下げて教えを請い、あるいは先生や先輩アシの作業を脇で見て技術を盗み取るという、職人や料理人の世界のようなものだと認識しておいてく ださい。

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