【質問と解答】

Q:自分はどんな事でもきっちり纏めたがる性分で、ネットや本で学んだこと、自分で漫画を読んだり描いたりして気付いたこと、持ち込みで編集者から実際に貰ったアドバイスなどをひたすらノートに書き溜めて一つのノウハウ本として漫画制作に役立てています。しかし先日、同じく漫画家を目指す友人に、「そんな理論武装して漫画描くと良い作品は出来ないよ」と言われました。個人的には今のスタンスを変えるつもりはありませんが、実際にヒット作を生み出すのって感覚で描いてる所謂「天才肌」な人が多いと言う印象です。なので、僕がやっている事はあまり良いことでは無いのでしょうか? 意見を聞きたいです。

A:天性の感覚だけで傑作が描ける作家なんて何人いるのでしょうね。ギャグ漫画ではまれにそういう異能な天才がいますが、ストーリー漫画で一流と呼ばれる方は皆、漫画を描く上での自分なりの理論を持っています。若いうちはその理論を言葉や文章の形に整理してない(整理できない)だけです。ある程度年数を経れば、自分流の漫画論を持たない作家は皆無と言っていいでしょう。それらの理論は彼らが自分の経験の中で試行錯誤して導き出したり、漫画界や他ジャンルの先人から言葉(文章)や作品を通して学んできたことです。編集者の助言や指導もそれらに則っています。ですから、それら先人の知恵を学ぶことを怠り、自分の力だけで頂上に登りつめようというのは傲慢と労力の無駄というものでしょう。ですから、あなたのやりかたを曲げる必要はありません。ただ、理論を学んだからといってそこで思考を止めてはいけません。普遍の基本理論がある一方で、時代に合わせて改良していくべき方法論もあります。常に新しい表現や新しい演出が生まれるのは、既成の理論にあきたらず、創意工夫をする人間がいるからこそということを頭に置いてください。

その他のご質問は、フォームからお願いします。