【質問と解答】

Q:僕は持ち込みで担当がつき、デビューするためにマンガを描いています。以前は東京に住んでいたため頻繁にネームを持ち込んで直接意見をもらっていたのですが、最近ある事情で東京から離れてしまいネームを持ち込めなくなったので、郵送で送ってみたんですが(もちろん了承をもらい)、返事が全くこない状況です。連絡したら、忙しいので今は見れないので後で連絡しますと言ったきり何の連絡もきません。以前もこんなことがありました。ネームの打ち合わせをしてるときにこういうの流行ってるから描いてと言われて描いたら、もうその時の事を忘れてたみたいで、これちょっと前流行ってたんだけど今は古いから別の描いてと言われ始末です。言ってることがめちゃくちゃでいい加減なので怒りたいですが、言いたいことを言うといやな思いをされてデビューさせてくれないんじゃないかとか変に勘ぐってしまい、結局何も言えません。何を描いたらいいのかも、描いてネームを送ってもちゃんと見てもらえるかも、 見てもらい意見をもらっても、それを鵜呑みにしていいかどうかもわかりませ ん。雑誌を変えようかとも考えています。このまま思ってることを言うべきか、言わざるまま去るべきか、悩んでいます。

A:担当さんも大勢の新人と打ち合わせをしているでしょうから、前の打ち合わせのことを忘れていることもあるでしょうが、ネームの返事をしてこないというのは問題ですね。最初からいいかげんな方なのか、あなたに対して当初の熱意を失っているのかわかりませんが、持ち込む雑誌を替えることも視野に入れてじっくり話し合ったほうがいいかと思います。
 打ち合わせをする時、担当編集者の意見をよく聞くことは大事ですが、疑問に思った点や納得のいかないことがあればその場で確認しなければなりません。担当の言いたいことを間違って受け止めている場合もありますし、担当が作家との意見の食い違いに気づかないまま望まぬ方向に指導することもあります。それが続くと、作家側は不満とストレスがどんどん蓄積されていきますし、そうなると自分でもいいかどうかよくわからないネームになるわけで、担当のほうも指導しても伸びない作家に対して熱意を失ってくるという負のスパイラルに陥ります。ですから、今の担当さんと関係を修復するにしろ、別の雑誌で新たな担当さんのもとでやり直すにしろ、担当編集者との打ち合わせの仕方を変えていってください。でないと同じことの繰り返しになります。ただ、納得のいかないことを問いただすにしろ、決してケンカ腰にならないこと。担当編集者はあなたにとって編集部の最大の味方なのです。多少の意見の齟齬があっても、編集部であなたを一番評価してくれている人間です。それを敵に回してはダメです。むしろ、自分の目指す作品の方向性を理解してもらい、それに近づくための助力を仰ぎ、一方では自分にない視野で新たな方向性を提示してもらい、それを自分の創作の肥やしにしていく---そんなふうに担当をうまく「利用」していきましょう。

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