【質問と解答】

Q:フランク・フラゼッタ、ボリス・ヴァレージョ、サイモン・ビズレーなど、日本の漫画家に影響を与えた海外のイラストレーター(アーチスト)は多いと思いますが、ほかにものすごい人がいますでしょうか? 特に作画に影響を与えた人を教えてほしいのですが(アレックス・ロス、メビウス、ジョー・マッドなど、漫画家を除き、アーティストでお願いしたいのです)。また、ボリス・ヴァレージョはどのような画材を使っているのでしょうか? 90年代以降の感じが好きなのです。

A:期待に添った回答ができなくて申し訳ないですが、海外のアーティストや漫画家に直接影響を受けた(意識して影響を受けた)日本の漫画家はほとんどいないと思います。おそらく絵を見れば見たことがあると言うでしょうが、日本の漫画とは表現スタイルや一般的な読者の嗜好が異なるということもあって、画集を見ることはもちろん、名前を聞いたことがあるという方でも100人にひとりもいないでしょう。現実にはほとんどの漫画家は国内の漫画にしか目を向けることはありません。もちろん、小説の単行本や雑誌の表紙、ゲームのパッケージ、ポスターなどで海外のアーティストの絵に触れることはあるでしょうが、画集を買ってまでそのアーティストの作品を追おうとする方はごくまれです。漫画よりもイラストを中心に活動している方のほうが、海外の作家に対してアンテナを張っていますね。そして、そういう国内のイラストレーターやごく一部の漫画家の作品を通して間接的に影響を受けているということは考えられます。
 ヴァレージョは『スターウォーズ』の絵とかを描いている方ですよね。残念ながら、私もネットで普通に手に入る程度の情報しかわかりませんので、どんな画材を使っているのかお答えできません。おわかりの方は情報の提供をお願いします。


Q2:ボリス・ ヴァレージョはスターウオーズというのは初耳です。私は彼の絵を400枚超見てるのですが、『スターウォーズ』はちょっと見たことがありません。間違いでは? ファンタジーアートの巨匠と言われていてSFも少なからず描いてるので、ひょっとしたらひょっとするかもしれませんが。
原哲夫はこの人の影響があるとおもいます(おそらくフラゼッタの影響が一番で しょうが)。三浦建太郎ははっきりとフラゼッタが好きだと言っていますし、海外のアーチストに影響されたひとは相当数いるとおもうのですが。山本貴嗣とか、萩原一至とか、小林源文、 池上遼一など絵の上手い人が多いようです。

A:ボリス・ ヴァレージョの代表作とは言えませんが、メジャータイトルなので挙げてみました。Random House社から出ている『Star Wars Episode 1: Dangers of the Core』というピクチャーブックで絵を担当しています。残念ながらRandom House社のStar Wars Episode 1シリーズは各巻別の方が絵を描いていて、ヴァレージョが担当しているのはこの巻だけのようです。ともあれ、ヴァレージョがこのメジャータイトルをどう描いているか興味はありませんか? 現在、絶版か品切れになっているようなので手に入りにくいですが、洋書を扱っている書店に店頭在庫があるかもしれないので探してみてください。
 海外のアーティストや漫画家に直接影響を受けたという点では、あなたの挙げた方々は該当すると思います。もっとも、昔から描いている劇画系の方がほとんどで、比較的若い世代は三浦氏や萩原氏くらい(お二方とも今や大ベテランですが)でしょうか。若手作家や新人になると、海外のアーティストの名前すら知らないです。たまに「これはっ!?」と思う絵があっても、ゲームやあなたが挙げた日本の先輩作家達を介しての影響にとどまっています。とはいえ、画風が異なっても、優れたアーティストの題材の捉え方や作品の構図の取り方や描写のテクニックは参考になりますので、他の人が目を向けない分、前述の先輩作家達のようにあなた自身のアドバンテージとしてこれからも広くアンテナをはっていくといいでしょう。ご質問の内容自体には、私もまだまだ勉強が足りず、お力になれなくて申し訳ありません。

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