【質問と解答】

Q:よく講評・添削で見せたいコマとそうでないコマの緩急が無いとかメリハリがないって書いてありますが、よく意味が分からないのです。同じ調子で描いてある漫画は面白く無いのですか? これがメリハリだってプロの作品を紹介してください。

A:昔の漫画はほとんどコマにメリハリがありませんでした。ですが、ストーリー漫画の長編化と読者年齢層が上がってドラマ性が重視されるようになったことにより、コマ割りにメリハリを持たせて読み易くし、同時にドラマやシーンの盛り上げをコマの大きさで表現する技術が生まれました。これは、フレームの固定されている映画やTVといった映像媒体にはない、漫画独自の演出技術です。BGMや効果音を持てないという漫画の短所を補うためにこのような工夫が生まれたのかもしれません。一方、コマのメリハリをつけずとも読みやすい長さの4コマ、8コマ漫画は均一のフレームが今でもデフォルトですし、短いギャグ漫画などもあまりメリハリをつけていない作品があります。
 さて、メリハリのある作品の例を挙げて欲しいとのことですが、ことさらに作品名を挙げなくとも週刊少年誌連載のストーリー漫画はすべてこの技術に則って作られています。キャラやシーンを立たせるためのコマを「見せゴマ」と言いますが、1話全体でのクライマックスの見せゴマと共に、見開き単位、ページ単位での小さな見せゴマが用意されているはずです。雑誌を1冊買ってよく読んでみましょう。


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