【質問と解答】

Q:僕は少年漫画家志望の投稿者です。とある漫画家とはなんぞや?というような本を読んでおりまして、疑問に感じた点があるので質問させて頂きます。
 デビューが決まったら、デビュー作が掲載され、その次のデビュー後一作目は必ず掲載されると書いてありました。ですが、その作品の後はデビュー作やデビュー後一作目のアンケート結果がよくないと載せてもらえなくなってしまう、と書いてあったのですが、つまり、1・2作があまりにも人気がないともうお仕事をさせてもらえなくなってしまうのでしょうか。それは大手出版社では必須の事項なのでしょうか。
 僕はそれを知って、漫画業界ってデビューするまでも大変だけど、デビューしてからが本当にもっと大変なんだと恐れおののきました。漫画ってシビアな世界なんですね。いえ、どの職業もシビアですが・・・。
 あと、デビュー作やその後の一本、二本で消えてしまう新人ってかなりいるように感じるのですが、それは編集サイドがその作家には商品価値がないと判断し、仕事を依頼しないから消えてしまうのでしょうか。それとも、そういうケースは作家自身から身を引いてしまう、あるいは描けなくなってしまうというケースの方が多いのでしょうか。


A:最初の質問については、2009年3月10日の「デビュー後第1作目は〜」の質問の回答をご覧ください。デビュー後第1作についても、必ず掲載が保証されているわけではありません。
 デビュー後1〜2作で消えていく新人のその後については、いくつかのケースがあります。アシスタントをしながら下積みをし直し作風や絵柄を変えて数年後に再デビュー、他の雑誌や出版社で再デビュー、プロアシスタントとしてやっていく、他に仕事を持って漫画はWEBや同人誌活動としてやっていく、筆を折り漫画執筆そのものから離れる---といったところです。仕事の依頼については、そもそも実績のない新人に原稿依頼がくることはありません。担当編集者を通してキャラ設定、ネーム等(完成原稿必須の場合もあります)を編集長もしくは企画会議に提出し、コンペをするわけですが、前作でアンケートが悪ければ最低でもそれを上回るレベルの作品であると判断されないと掲載作品に選ばれません。その前作を上回るネームというのがなかなか出来なければ、足踏み状態で1年2年と経ってしまいます。作品が雑誌に掲載されないとモチベーションは下がりますし、経済的にも苦しく、家族からも将来のことを考えろと言われるようになって、他誌に可能性を求めたり、プロを諦めて生活のためにアシスタントを職業とするようになるわけです。それだけに、特にデビューしたばかりの新人にとっては1作1作が全身全霊をかけた勝負作でなくてはなりません。1作失敗すれば自分の作家としての価値を下落させてしまい、2作目を雑誌に載せることが困難になるのですから、担当編集以上に自分の作品に対して厳しい目で品質管理するべきです。そうした積み重ねがあなたを成長させ、編集部や読者の評価を高めていくのです。


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