【質問と解答】

Q:僕は4月から高校3年になります。有り難いことに、少年漫画家としてスタートラインに立つことができました。ですが、進路のことを考えると手離しに喜ぶことができません。僕の通う高校は進学校で(僕は勉強全然しないで漫画ばかり描いてたので落ちこぼれです)4年制大学への進学率は100%で、先生は進学は当然と仰います。また、担当編集さんも一流の漫画家になる為に大学は出とけ、毒蛇は急がないって言うだろ、と言って下さっています。両親は、お前の好きなようにしていい、と言ってくれているので、僕のおかれた環境は本当に有り難いものだと思っています。ですが、問題は僕の成績のありえないほどの悪さと、運良く進学出来たとしてもちゃんと大学へ通いながら漫画の仕事をこなせるか、ということです。漫画は文学賞とかそういう扱いではないと思いますし、漫画を一芸推薦とかでアピールはできないですよね。
 正直、自分自身進学することにまだ迷いがあって、今、勉強も漫画も全然出来ていません。大学で得られる広い知識や教養、人間関係や様々な経験はとても必要だと感じています。ですが、それと同時に大学へ行かず漫画一本、本気で向かってみるべき時なんじゃないか・・・とも思えるのです。将来設計について担当さんに相談してみてもいいのでしょうか。こういうことって重たがられてしまうものでしょうか。

A:少年漫画家としてスタートラインに立ったというのがどういう状態を指して言っているのかわかりませんが、おそらくまだ連載作家として具体的な実績を上げているわけではないですよね。担当さんとしても、相談にはのってくれるでしょうが、あなたの将来について何の保証ができるわけでもないので、毒蛇は急がないという同じ返事が返ってくると思いますよ。結局のところ、自分の未来ですから自分で決めるしかありません。最悪の未来を考えると、漫画家としてやっていけず高卒という学歴でこの就職難の中を職探しすることになるわけですが、背水の陣で臨んで道を切り開くということもありえます(大学を卒業すれば職が保証されるわけでもないですが)。もっとも、漫画の知識しかない漫画家では早晩ネタや題材に行き詰まります。大学に行くことがだけが知識や経験を得る手段ではありませんが、心掛け次第で最もそういうものを得るものが大きい場ではあります。一方で、受験に専念する1年は漫画にとって大きなブランクでもあります。そういったことも踏まえた上で、他者に責任を押しつけることなく自分で納得しての結論を出しましょう。


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