【質問と解答】

Q:今中学三年生で、もうすぐ高校生となります。少年マンガ家を目指していています。
 1)最近つけペンの練習を始めたばかりで、なかなか思う通りに描けなくてあせっています。15歳の今からつけペンの練習でも、遅くないですか?

 2)初歩的な質問ですみませんが、面相筆とトレーシングペーパーってなんですか? また、どのようなところで使うのですか?

 3)ワクとワクの間って、一定の間隔で空けなければならないのですか? その場合、大体どのくらい空けるのが妥当ですか?

 4)フキダシの中のセリフは手描きでよいとのことですが、フキダシ自体もシャーペンでいいのですか? それともフキダシはつけペンで描かなければならないのですか?
 

 5)原稿用紙の専門用語と、原稿用紙の使い方が全くわかりません。また、どの線内におさめなくてはいけないとか、原稿用紙を使う上での注意点も教えてください。

  6)原稿用紙に清書する時も、鉛筆で下書きするものなのですか?

A:1)遅くありません。少女漫画の世界では中学生でデビューする方もいますが、少年漫画志望者としては平均よりも早いほうです。

 2)面相筆は極細の筆で、スミベタやホワイトを入れるときに使用します。トレーシングペーパーは半透明の紙で、絵にかかるところに文字を入れる指定するために使用します。原稿用紙にトレーシングペーパーを重ねてセロハンテープ等で端をとめ、その上に鉛筆で文字を書き入れます。文房具店で聞けばすぐにわかります。

 3)枠と枠の間隔は決まっているわけではありませんが、左右で2〜3ミリ、上下で4〜5ミリくらいを目安にするといいでしょう。

 4)印刷で出すものをペンで、出さないものを鉛筆で描く(書く)と覚えておいてください。セリフは写植文字やフォント文字に差し替えて製版・印刷しますが、フキダシ線はそのまま印刷しますのでペンで描きます。

 5)漫画の基本の枠を「内枠」と言います。市販の漫画原稿用紙の一番内側の線です。これはタテ270ミリ〜ヨコ180ミリと決まっています。雑誌やコミックスの外まで絵がはみ出しているコマを「タチキリ」と言いますが、このタチキリ位置の目安となるのが原稿用紙の内枠の外にある3ミリ間隔の2重の線です。この2重線の内側の線を「仕上がり線」「タチキリ線」「外枠」などと言います。統一された名称はありません。2重線の外側の線を外枠としている解説書もあります。ここでは区別をつけるために内側の線を「仕上がり線」、外側の線を「外枠」として説明します。仕上がり線は製本の際に裁断する位置の目安ですが、裁断する際に機械の誤差が生じます。この誤差をプラスマイナス3ミリとしています。そこで、3ミリ外側に外にずれた時の目安線として外枠が入れてあるわけです。この仕上がり線は内枠と異なりメーカーによって多少数値が異なっていますので、タチキリ原稿を書く際には、外枠のさらに約5ミリ外まで絵を描いたほうが無難です。

 6)通常は原稿用紙にも鉛筆やシャープペンシルで下絵を入れますが、ペン入れ後の消しゴムかけをしないために別の紙(コピー用普通紙など)に下絵を描いてトレース台でペン入れする方もいます。

 今回は回答しましたが、質問のほとんどはどの漫画入門書にも必ず書いてあることです。このコーナーの回答では図版を使用しませんので、質問によっては文章のみの回答ではわかりづらいこともあります。プロを目指すなら、まずは漫画入門書を1冊買いましょう。


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