【質問と解答】

Q:2006年4月30日の質問で「漫画家はどのくらいになれば漫画一本で食べていけるのか?」に対してのご回答が、「連載をもてば収入面では大丈夫。週刊誌、隔週誌なら楽に生活できるだけの収入がある」となされていますが、短期で連載が打ち切られ、単行本が出ない場合、アシスタントなどの人件費諸々で赤字ではないですか?
 以前、打ち切られた漫画家は、単行本が出ないと数百万の負債を背負うことに なる、と別サイトで読んだのですが…。

A:大手出版社の週刊誌や隔週誌だと、最初から短期集中連載と決まっているものを除けば、最低でも単行本1巻分は連載して本を出してもらえるのが普通です。月刊誌や中小出版社の隔週誌だと連載漫画でも必ずしも単行本にならないことがあります。ただし、質問にある単行本が出ないと数百万の負債を背負うというのは、ちょっと尋常ではないケースですね。単行本1巻分未満での打ち切りというケースで考えると、週刊誌で2〜3ヵ月、隔週誌で3〜5ヵ月と いったところですが、それで数百万の負債というと毎月100万近い赤字を出 していることになります。原稿料収入を差し引いてそれだけ赤字を出すというのはいったいどれだけアシスタントを雇って仕事場にも金をかけているんだという話で、経済観念がなさすぎです。漫画家というのは個人事業主ですから、 自分や家族の生活費と仕事上の必要経費(アシスタントの人件費、仕事場の賃貸料、画材代や取材費など)を含めて、毎月の原稿料収入だけで赤字にならないよう自分の責任で収支を管理する必要があります。単行本の印税収入というのは部数によって変わるので収入金額があらかじめ計算できるものではありませんから(特に新人作家や新タイトルの場合)、あくまで臨時ボーナス的な考えでいないと経済的に破綻します。収支を考えて仕事場を運営してさえいれ ば、週刊連載を持っていれば単行本印税無しでも経費を差し引いても同年代の サラリーマン並かそれ以上の収入があるはずです。


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