【質問と解答】

Q:アシスタントがいないプロの漫画家はいるのでしょうか。また、前回の回答で月刊誌の漫画家さんは週刊誌よりも切羽詰まった感じがないので、徹夜とかには無縁なのでしょうか?

A:アシスタントを使わないプロの漫画家さんもたくさんいます。たとえば、現在私が担当している連載作家さんで3人は基本的にアシスタントを使っていません。そのうちのひとりはショート漫画、ひとりはフルデジタル環境で制作しており、もうひとりはアナログ制作ですがレギュラーアシスタントを持たず、進行が悪くなった回のみヘルプ(臨時アシスタント)を呼ぶというスタイルをとっています。4コマやショートだからといってアシスタントを使わないとも限りませんし、逆にストーリー漫画の連載でもひとりで描いている方もいます。制作環境を公表したくない漫画家さんもいらっしゃるでしょうから名前は挙げませんが、「えっ、この人が!?」と驚くような方がアシスタントを使わないで描いていたりもします。
 月刊誌連載だから徹夜と無縁かというと、そうでもありません。漫画家さん本人の性格によります。きちんとスケジュールを自己管理できる方は徹夜をしなくても締め切り前に原稿を上げて、雑誌の校了前に次回の打ち合わせをします。かと思えば、時間があればあったでその分ネームに悩み構図に悩みして、結局締め切りぎりぎりまで3日連続徹夜になる方もいます。また、逆に週刊連載でも徹夜をしない漫画家さんもいます。ベテランの人気作家さんですが、午前中に仕事場に「出勤」して、夜7時くらいにはその日の仕事を終えて帰宅し、日曜はちゃんと休んで家族と過ごす、まるでサラリーマンのような仕事ぶりだと聞きます。若いうちは体の無理が利きますから徹夜もいいですが、長く漫画家を続けるためには体を壊さない仕事の仕方を若いうちから身につけておいたほうがいいかもしれませんね。


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