【質問と解答】

Q:起承転結以外に物語の構成法はありませんか?

A:「起承転結」というのは元々、漢詩の絶句の構成の名称で、それを文章構成法として置き換えたものです。世界的には、そのような4段型構成よりも、演劇などで使われる「三幕構成」のような3段型構成のほうが主流です。
 三幕構成について簡単に説明すると、第一幕はbeginning(発端)もしくはsetup(設定)といい、キャラクター紹介や状況設定をします。第二幕はmiddle(中盤)もしくはdevelopment(展開)といい、観客や読者の興味をひきつつストーリーを展開させていきます。第三幕はend(結末)もしくはresolution(解決)といい、ストーリーのクライマックスから解決・結末に至ります。この三幕構成は古代ギリシャに起源し、改良・発展を重ねて現在のハリウッド映画にも使われています。三幕の時間比率は1:2:1で、二幕目がほかの倍の時間があるため、中盤にミッドポイントを置き展開に変化をもたせます。また、一幕目と二幕目の終わり間際にターニングポイントというものを設け新展開や新要素を投げ込み、次幕への引きとします。
 日本由来の3段型構成もあります。「序破急」というもので、舞楽から出た言葉です。さまざまな芸道のメソッドに転用され、ジャンルによって指す意味が異なりますが、能や浄瑠璃の構成だと、「序」はゆるやかな導入部、「破」は展開部、「急」は変化の急な終結部であり、三幕構成と通じるところがあります。
 起承転結を三幕構成に当てはめると、「起」と「承」序盤が第一幕、「承」が第二幕、「転」「結」が第三幕にあたるでしょうか。ですから、できあがったストーリーがまったく異なる構成になるわけではありません。3段型構成について詳しく知りたければ、演劇論やシナリオ術の本を読んでみてください。


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