【質問と解答】

Q:自分は5年前から投稿を初め、今までに11本投稿しました。そのうち3本のみ入選し、それ以外は没です(最近の投稿現状も、没ったり稀に入ったり・・といったものでレベルアップしているのかどうか分かりません)。自分が描きたいと思っている作風は、シリアスのストーリーもので暗いものなのですが、今までの投稿した作品の中で考えてみると、どうも入賞した3作はどれも明るく、軽いノリの作品でした(選外は全てシリアスもの)。こういった面から考えてみると、自分にはシリアスは向いていなく、明るい漫画のほうがあっているのでしょうか? 入賞といってもベスト5位程度なので、担当さんがつくのかどうか分かりませんし・・今後、デビューを目指す上でどういった方向性で漫画を描いていけばいいかアドバイス下さい。

A:実際に作品を拝見しているわけではないので、あなたがどちらの方向に向いているのかは何とも言えません。しかし、あなたが描きたいと考えている方向性がはっきりしているのでしたら、それを曲げてデビューを果たしたところであなた自身が納得できるのでしょうか。明るい作風が評価されてデビューしたならば、担当も読者も同じ傾向の作品を求めてきます。それであなた自身がそちら傾向の作品に興味を見出していけるならばいいのですが、不本意な作品を描き続ければいずれ行き詰まることになるでしょう。
 あなたが目指す作品がどういう傾向のものかは文面からだけではわかりかねますが、一般読者の多くは暗い作品よりも明るい作品を、後味の悪い作品より読後感の良い作品を求めます。私も編集者として、同じレベルのコメディ作品と暗いシリアス作品が描ける新人がいれば、コメディ作品を描くよう勧めます。もちろん、シリアスで暗くとも大きな感動を与えてくれたり、悲劇的な結末でもしっとりとした余韻を残して読み返したくなる作品もあります。しかし、本来「不快」をもたらす要素をもって「快」を読者に与えるのですから、より高い演出力と構成力が要求されるのは当然のことです。今のあなたはおそらくただ漫然と描いて投稿しているように感じます。あくまでシリアスなストーリー物を描いていきたいのであれば、安易な妥協や寄り道をして軽いノリの作品を投稿してみたりなどせず、自分の目指す方向性の作品で勝負すべきでしょう。そのためには、自分の作品に何が足りないのか、何を伸ばさなければならないのかを真剣に見つめ直す必要があります。シリアス物の投稿作によくある欠点は、自己満足・自己陶酔に陥りがちで、読者を置いてきぼりにしがちなところです。ネームを切るとき、時々頭を冷やして第三者的目線で読み返してみるようにしましょう。そして、例えば1年と期間を区切ってシリアス物での入賞という目標を掲げてはいかがでしょうか。明るい作品では入賞しているのですから不可能な目標ではないはずです。その上で1年後、もう一度自分の作 品の方向性について考えてみてください。


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