【質問と解答】

Q:1)最近はデジタル原稿の漫画も増えてきていると聞きます。今はアナログで描いてますが、やはり将来のことを考えるとデジタルに移行したほうがよろしいでしょうか? 今の現役の漫画家のデジタル作画の割合などがありましたら教えていただきたいのですが。デジタルは修正やトーンが楽らしいのでコミックスタジオの購入を考えています。

 2)麻雀漫画などで牌の絵柄の作画はどうしているのですか?(とても手作業で描いたとは思えません)

A:1)商業誌に限って言えば、フルデジタル環境で作画している漫画家さんはまだ多数派とは言えません。たとえば、私が以前いた青年向け週刊誌では4コマ、ショート含めて20数本の連載がありましたが、デジタル原稿は確か2本だけでした。また、今いる少年向け月刊誌でも20数本の作品が掲載されていますが、デジタル原稿は平均4本くらいです。ただし、統計をとったわけではありませんが、同人誌では8割くらいがデジタル原稿だと思います。商業誌でも今後、デジタル原稿の比率は増えていくと考えられます。ですが、デジタル環境への移行をあせる必要はありません。まずは部分的にデジタル効果を試しつつ、自分の作画態勢にデジタル環境を導入することの長所と短所を見極めていきましょう。

 2)麻雀劇画の牌は基本的に昔から手描きです。とても手作業で描いたとは思えませんとか書いていますが、みんな本物の麻雀牌を見ながらちゃんと描いているのです。ただ、最近ではあらかじめ3Dデータで牌を作成しておき、それを漫画の構図に合わせていろいろな大きさや角度で貼り付けるということをしている方もいます。また、3D制作ソフトが使えなくても、麻雀牌素材は探せばフリーのものもあります。上手く使えば、かなり作業は省力化できますね。フルデジタル環境でなくても、大きさと角度を決めて出力してから原稿用紙に切り貼りすれば、アナログ環境下の作画にも使えます。ただ、昔ながらの劇画の手描き牌にはデジタルデータにはない粗削りの迫力があるのもまた確かで す。


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