【質問と解答】

Q:少年誌と青年誌では単行本のサイズが違うのはなぜですか? 青年誌の方が少し大きいですよね。

A:現在のコミック単行本の判型は、新書判(115mm×170mm)、B6判(128mm×182mm)、A5判(148mm×210mm)に大別されます(寸法は目安です。出版社によって数ミリの差があります)。少年漫画・少女漫画が新書判、青年漫画・マニア向け漫画がB6判、豪華版・4コマ・成年漫画がA5判というのが今の流れです。青年向けコミック単行本の判型を決定した経緯の詳細は、申し訳ありませんがわかりません。ただ、推測はできます。青年誌が誕生した当初、現在以上に青年誌と少年誌の読者年齢層は大きく異なっていました。そこで、青年誌から単行本を刊行する際、少年向けコミックスと同じ装丁では、青年誌読者が手に取りにくいと考えられたのではないでしょうか。また、性や暴力も題材として扱う青年漫画の単行本を若年の読者が間違えて購入することのないよう、判型そのものを変えて書店での棚の区別化が図られたのだと思われます。その背景には、青年向けコミックス誕生以前からあったエロ劇画単行本がB6判だったことも関係していると考えられます。以上のような流れから、新書判コミックス=少年・少女向け、B6判=大人向けとの区分が生まれたのでしょう。少年漫画誌と青年漫画誌の中間として生まれたヤング誌、ヤングジャンプやヤングマガジンのコミックスは創刊当初は新書判でしたが、やがてB6判に切り替えて単行本の売り上げを伸ばしていきました。少年向けコミックスとの差別化によって、ヤング誌は独自の購買層を形成していきました。商品の性格を明確にしたことが収益に結びついた好例でしょう。


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