【質問と解答】

Q:雑誌の漫画投稿規定に、氏名や年齢、職業を書くというものがあるのがほとんどですが、なぜ編集者の方は投稿者の職業を知りたいと思うのでしょうか。年齢、性別、経歴不問とある投稿規定の中にも年齢や職業を明記することを義務付けていることがあります。年齢の割に無職だったりアルバイトだったりすると何か問題があると思われるのでしょうか。あるいは職業で投稿者を判断したり選考で差別したりするというようなことが…。そんなことはあってほしくないですし、賞の選考は純粋に投稿作品のみで評価するべきだと思います(過去ログで年齢についての多少の差別はあるとわかり、私はそのことについては商業雑誌の編集者さん側の立場からの正当性はあると思いました)。また、単に年齢や現在の職業を書いているだけで投稿者の人物や経歴がわかるわけでもないと思います。それぞれの生活上の諸事情などが無数にあると思うからです。仮にわかったとして、それを選考などで考慮に入れるのもどうかと思います。そこで質問なのですが、編集者の方が投稿者の職業を把握するメリットは何ですか。

A:新人賞において、職業で投稿者を判断したり選考で差別したりすることはありません。これは断言できます。実のところ、審査自体においては不要な項目です。職業の項目が生きてくるのは、審査後です。審査の後には担当決めがあるのですが、次回作のビジョンが担当希望の有無を左右することがままあります。例えば、以前からホストを主人公にした漫画を作りたいと考えていたところに、職業欄にホストと書かれた投稿があったとします。絵柄も自分が考えていたホスト漫画にあっているし、投稿作の学園ラブコメよりもずっといい作品になるはず。だから、ぜひ担当したい、と考える編集者がいるかもしれません。担当になった後に投稿者本人と話してみて、ホスト漫画よりも面白い企画が出て次回作はそちらになるかもしれませんが、その場合も出会いのきっかけにはなったわけです。それに、実際に職業や職場での経験からヒット作が生まれた例はいくつも見てきました。ですから、一般のの学生やサラリーマンでないほうが、編集者は興味を抱きます。そのほかにも職業欄は、編集部から初めて連絡を入れる際の時間帯の配慮とか、話題のとっかかりに活用されます。しかし、あえて職業を明かしたくない事情がありましたら、未記入でもかまいません。いずれにせよ、選考自体に影響することはありません。


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