【質問と解答】

Q:私の投稿している雑誌の漫画賞は、16ページのストーリー漫画を募集しています。16ページで描くと、言いたいことを言って終ってしまって、よく「展開が読める」とか「ストーリーを追うだけで終ってる」と評されます。色々ドラマ要素を入れると、展開が速すぎるとか、とにかくどこかに問題が出てしまいます。編集部は16ページの漫画で、何を見せて欲しいと考えているのでしょうか? 直接聞いても「面白ければいい」と言われて、なんとも掴み所がありません。ストーリーに無理なく破綻がなく、ドラマがあって、絵が上手い。を基本として、どこかに押し出しがあるとか、魅力や光るものがあるとか、そういうものを求めているのでしょうか? 16ページで何を言えばいいのか、編集が求めているのは何か? 何かヒントがあれば、宜しくお願い致します。

A:16Pというのは、ストーリー漫画として最短にして基本のページ数です。最短のページ数であるがゆえに、本筋や作品の狙いとははずれた無駄な要素があると、展開が早く感じたりたり物足りなくなったりします。16Pという単位では、この話の売りは何なのか、テーマは何なのか、どこを見所としているのかを作者はちゃんと把握しているかどうかが問われます。そして、それを見せるための最短・最小のフローチャート(流れ)がストーリーの本筋です。どのような長編の作品にしても、ストーリーの本筋を外していては面白い作品にはなりません。長編だと、本筋以外の脇筋も展開させていきますから、ややもするとそもそものストーリーの本筋や作品コンセプトを見失い散漫な印象に陥ってしまいます。最初の頃は面白かったのにと言われる連載は、そのケースが多いです。そのため、本筋を見極め、情報の取捨選択をしていく必要があります。編集者はまとまりのよい無難な作品を求めているわけではありません。短いページだからこそ作品のカラーが鮮明に見えてきます。あなたが、作品で最も訴えたい(見せたい)ものは何かを見極め、その他の要素はとことん削っていきましょう。そうして、ストーリーの本筋を16Pで効果的に辿れたとき、あなたの構成力は飛躍的に向上しているはずです。


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