【質問と解答】

Q:私は現在25歳で某少年誌に持ち込みをしています。よく少年誌は25歳あたりが境界線という話を耳にします。実際担当の方にも言われました。もちろん年齢は若ければ若い方がいいですが、たとえ年齢が高くてもものすごく面白い作品であれば年齢なんて関係ない、とは思ってます。ただ最近その少年誌の漫画の受賞者発表のページを見ていて気になるのが、20代半ばであれば賞をとってるのですが、29歳とかの方は最終候補にはちょくちょく載るのですが、受賞者を見たことがありません。たまたま私が目にしてる方々の作品が、どれも賞には及ばなかった、ということなのかもしれませんが、どんなに面白いものを描いても29歳とかだと、最終候補には載せてもらえるけど、デビューはさせてもらえないのか、とか考えてしまいます。特にその雑誌では連載しているプロの方で、29歳とかでデビューした方は私の知る限りいなくて、みんな20歳くらいで何らかの賞をとっています。私自身、担当の方に「25歳という年齢だと、すごいレベルのものを描かないと難しい」と言われましたが、見てもらえる限りは持ち込みを続けようと思っています。ただ、どうしても年齢のことが気になります。そういったルールみたいなものはあるのでしょうか。このまま少年誌を目指してたら、いつか担当にもう持ち込まないでほしい、とか言われてしまうか、と考えると方向性を変えるべきか悩んでいます。 

A:25歳を少年誌投稿の限界とするのは早すぎるかもしれませんが、少年誌では想定読者(現実の読者平均年齢とは異なります)たる若い世代とずれない感性が望まれるためです。少年誌では受賞からデビューまで平均2〜3年はかかりますが、受賞時に26歳だとデビューの時点で早くても28〜29歳となり、少年誌の読者との世代差が大きくなってしまいます。感性は、過ごしてきた生活環境、洗礼を受けた風俗、成長期に観聴きしてきた創作物(漫画、アニメ、ドラマ、バラエティ、音楽等)などによって形作られるので、世代間で異なってきます。その差異の大小は個々人の資質や経験量によっても異なるものの、より差異を小さく求めるならば年齢差が小さいほど望ましいと言えます。逆に考えると、受賞年齢が高いほど誌面デビューまでの期間は短くなければなりません。従って、その担当の方も言うように、年齢が高くなるほど要求されるレベルは高くなり、受賞自体が困難になってきます。20代後半ともなると、即連載して雑誌の現レギュラー陣と互していけるレベルが求められます。そこまで高いレベルの作品が描ける方なら、大抵すでにデビューしているでしょうから、20代後半の受賞者がほとんどいないのもむしろ当然と言えます。とはいえ、30代でも10代と遜色ない若い感性、あるいは10代をも魅する特異な感性をひっさげて突如彗星のごとく現れるスーパー新人の可能性を否定するものではありません。ですから、少年誌でも年齢制限を設けているところはあまりありませんし、年齢だけを理由に足切りすることはありません。
 ただ、あなたの場合、担当編集からそういう話をされたということですから、この1年で受賞できない場合はその雑誌では可能性がないとほのめかされているのではないでしょうか。担当として、あなたの現在の力量、過去数年のあなたの力の伸び、編集部内でのあなたの評価をよく知っているはずですから、次作で編集部内の予想を大きく上回る伸びを見せて受賞にこぎつけない限り後はないと思っていいでしょう。それが叶わなかった場合は、ずるずると持ち込みを続けるより、高く評価してくれる他の少年誌を探すか、ヤング誌・青年誌にシフトすることをお勧めします。担当編集者ともよく話し合って結論を出してください。


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