【質問と解答】

Q:現在、とある雑誌で担当についてもらっていますが、読み切りの掲載だけでは生活がしていけないことと、雑誌の方向性と自分の描きたいものの間にズレを感じてきてしまったため、他誌への持ち込みを考え ています。しかし担当さんに「必ず仕事の場を用意するから、他誌への営業はやめてほしい。新人のうちから何ヵ所もまわって自分の価値を下げることはしないように」と釘を刺されました。数社で仕事を掛け持ちすることは、本当に作家としての価値が下がることなのでしょうか?  かなり強い口調で言われてしまったので戸惑っています。 

A:自分自身のキャパシティを超えて他誌に手を広げることは確かにために はなりませんが、余力が十分にあるのになかなか掲載の機会が訪れないならば、他誌への営業をしても何ら問題はないと考えます。作家としての価値を下げる云々は根拠がありません。私も同じ編集者として、自分の雑誌だけに力を集中して頑張って欲しいという気持ちはわかりますが…。ともあれ、問題はむしろ雑誌の方向性とのズレにどう対処すべ きかということと、担当編集者の「必ず仕事の場を用意するから」とい う言葉を信じられるかという点でしょう。担当編集者とは一度腹を割った話し合いをする必要があると思い ます。自分の収入と将来への不安を訴え、雑誌内での自分の立ち位置と編集部内での自分の作家評価、自分をどう起用し、どう連載に持っていくかへの具体的展望を聞き出しましょう。その上で、納得がいったならば担当編集者の方針に従い、納得がいかなければ他誌への営業を始めてはいかがでしょうか。


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