【質問と解答】

Q:自分の漫画がストーリー・絵共に入賞レベルに達しているのですが、デビューまで今一歩達することが出来ません。担当してくださっている編集から、「他のデビューしている新人と今のあなたとの違い(差?)をわかっていない」といわれ、少々混乱しています。今雑誌に掲載されている漫画とは違ったものを描きたくて敢えて絵柄を少し変わったものにしたりしてみたのですが、それは裏目に出てしまっているようで…。やはり流行に合わせたものを描くべきでしょうか。
 以前より、『まとまった物語』を作れるようになり、絵もデッサンがとれて巧くはなっていると自覚できるようになりましたが、今以上になるには自分の漫画の『ウリ』がどんな所なのかをはっきり意識して描きたいと思うようになりました。現時点では、自分のウリはやはり絵だと思ってるのですがそれをどの様に生かしていけばよいのか悩んでいます。凄く抽象的で、実際にこちらの漫画を読んで貰わなければわからないような問題なのですが、自分の良いところを伸ばしてゆく為のコツ(どうすれば効果的かみたいなもので構いません)のようなものがあれば是非お聞きしたいと思います。 

A:作品を読んでないと、答えづらい質問ですね。担当編集者がいるのですから、まずそちらに相談べきです。とはいえ、参考までにストーリー、絵ともに一応のレベルに達した方が次に考えなければならないポイントを書き出してみます。
 ・自分の「ウリ」を認識する……自分のウリが「絵」だと言いますが、漠然としすぎています。「絵」だけで購買動機になりうる作家は漫画界広しと言えど10人といません。キャラ絵が得意としても、どのタイプのキャラが一番魅力的に描けるのか自覚しておく必要があります。何でも、どんなキャラでも描けますというのは、突出して描けるものがないということです。
 ・キャラクター……主人公でなく、相手役のキャラでもかまいません。自分に描ける最も魅力的なキャラクターをメインに持ってきましょう。ただし、読者に対して、こういうキャラクターだと明快に説明できる、印象的でイメージのわかりやすいキャラでなくてはなりません。なお、第一印象で明快なイメージを持たせる必要はありますが、単純なキャラにする必要はありません。ドラマ性をふくらませるなら、表層のイメージの内側に別の一面を持っている方がキャラの奥行きがでてきますし、キャラが立ってもきます。
 ・題材……自分の作品のキャッチコピーやあおり文句を思い描いてみましょう。そのコピーやあおりから、作品を読んでみたいと思えますか? 読者は基本的に新人作家には何も期待をしていないと思ってください。ですから、新人の作品は有名作家にも増して自己主張が強くなくては読んでもらえません。「読めば面白い作品」ではなく、「読む前から面白そう」な作品でなくてはならないのです。雑誌の読者が興味を持つ舞台や題材、あざといくらいにキャッチーなシチュエーションを持ってきましょう。
 つまり、読者にアピールするキャラクター作りと題材選びをすること、その中で自分のウリを最大限活かすことです。


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