【質問と解答】

Q:1)投稿作の寸評で、上手くなったが絵の地力が足りないと言われました。そしてここからが重要なのですが、口で説明するのは難しいと書かれ てありました。一体どういうことなのでしょうか? 背景や小 物をきちんと描くことや、仕上げを丁寧にすることならば、文章でそういえば分かることですので、なにか他に極意‥‥と言えば大袈裟ですが、そのようなものがあるのでしょうか? プロの原稿が綺麗なことくらい承知しているつもりですが‥‥?

 2)菅野博之先生の漫画技法書『漫画のスキマ』によると、視線誘導は漫画 の秘奥義らしいですが、プロの漫画家のなかには、そんなのあまり気にして ない感じの方が、それも多数おられるように見受けられますが、どうなんでしょう? あまり意識しないほうがいいこともあるのでしょうか?


A:1)当該の寸評を書いた編集者でないので、どういう意味なのか正確に は判断がつきません。「地力が足りない」という言い方から考えると、特定のテクニックの有無ではなく総体的な画力不足を指摘したいのではないかと想像します。以前の作品よりは上達しているが、もっと頑張れということではないでしょうか。確かに不親切な寸評ですが、スペースの関係で言葉足らずにならざるをえなかったのかもしれません。

 2)プロだからといって必ずしも高いテクニックを持っているとは限りません。テクニック不足を補う魅力があれば、連載を持つこともできますし、連載しながら技術を磨いていくケースもたくさんあります。視線誘導はややハイレベルな技術なので、確かに知識として知っておいて損はありません。知識として持っていれば、いずれ意識しなくとも効果的な構図やコマ運びができるようになってきます。ただ、初心者のうちはあまり細かく考えすぎないほうがいいでしょう。構図やフキダシ位置を迷ったときに、そういえばこういう法則があったなと思い出せる程度で十分です。


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