【質問と解答】

Q:再び発行部数で質問した者です。たとえば5万部発行して実売数が1 万部の場合4万部の赤字はどうするのですか? 作者はウハウハでしょうが!?

A:返本された4万部は裁断処分となり、出版社が赤字を被ることになります。部署の独立採算制をとっている出版社では、編集部の赤字ということです。経営陣からは編集部と販売部の見通しの甘さが責められるわけで、赤字幅が大きいと何らかの責任が問われる場合があるでしょう。しかし、部数決議は雑誌アンケートやその作家の過去の販売実績、書店の事前注文数、市場調査などを参考にをしてなされますし、昨今はどの出版社も初版部数を手堅くして重版を重ねる方針なので、そこまで 大きな赤字は実際にはまれです。
 作家側は確かにその単行本についてはウハウハなのですが、出版社に大きな損失を与えた作家という印象は(編集部はともかく販売部には)後々まで残ります。以降の単行本については部決(部数決議)において非常に審査が厳しくなることが予想されます。編集部が勝負に出たいと考える単行本でも部数を削られて売りのタイミングを逃し、たとえ重版がかかっても総体では部数が伸びない作家という位置づけが定まってしまうとすれば、結局は作家側も損をすることになります。


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