【質問と解答】

Q:いくつか質問があります。
 1)少女漫画はトーンを駆使しなければいけないのでしょうか。何かトーン の規定があるみたいですが、それを忠実に守らなければやっぱりダメですか?

 2)カラーの場合はどうやってペン入れした原稿に色を塗っていけばいいの でしょう? 普通に描いた絵にコピックで色を塗ると滲んでしまいます。あと、モノクロでも真っすぐな線を引くときに定規を使いますよ ね? その時、定規を外すとどうしても滲むというか…これをどうにかする方法があるのですか?

 3)雑誌によって傾向は違うと思うのですが(たとえば小中学生向けなど)、傾向と合わないと思った作品では受け入れてもらえないでしょうか。 また、どの雑誌に投稿すればよいかを、どうやって決めればいいでしょう か。

A:1)スクリーントーンを絶対使わなくてはならないという決まりは ありません。トーンは表現の手段にすぎません。しかし、トーンを使わ ないことで画面がスカスカになったり、逆に手描きで描き込みすぎて画面がうるさく なったりして絵が見づらくなるとすれば、トーンを使うべきでしょう。要はあなたの絵柄と作風、そしてテクニック次第というわ けです。編集部側は、トーンの使用を強制しているわけではなく、表現の幅を広げる「道具」とし て推奨しているだけです。
 「トーンの規定」というのは、何を指してのことかわかりません。内容を詳しく書いて再度質問してください。

 2)カラー原稿をコピックで彩色する際ににじむというのは、線画を入れた黒インクとの相性が悪いのでしょう。モノクロ原稿に使用するものよりも耐水性が高く乾きやすいインクを使うか、原画をコピーしたものに彩色してください。また、コピックによるにじみに対応した、線画用のペン「コピックマルチライナー」という製品もあります。黒の他に好みに応じてグレー、セピアなどの色があり、線幅も黒は 0.03/0.05/0.1/0.3/0.5/0.8/1.0mmと細かく用意され、各200円と手頃な価格です。同系統の製品にインクカートリッジ式の「コピックマルチライナーSP」、つけペンのように線の強弱がつけられる「コピックドローイングペン」、ベタ塗りに適した筆ペンタイプの「コピックマルチライナーブラシ」も出ています。すべて、コピックの発売元で ある「Too」の製品で、コピックによって線がにじむことはないとうたっています。
 モノクロ原稿で定規を使うとき、定規の断面の出っ張りがある面を下にし て使っていませんか? つけペンを使うときは、引いた線が定規に 触れないよう、通常の使用法とは異なり、出っ張り面を上にして定規を使います。定規に硬貨などを貼り付けて、原稿面から浮かして使うというやり方もあります。

 3)各雑誌の新人賞は、雑誌の次代を担う漫画家の発掘・育成を目的として いますので、雑誌の傾向や読者層とかけ離れた作品はまず入賞させません。不向きな雑誌で苦労させるより、その作家に合った雑誌に行ってもらったほうが、その作家のためにも漫画界のためにも有益だと考えるからです。
 どの雑誌に投稿すればよいかどうかは、実際に雑誌を読み比べて自分自身で決めるしかありません。どんな読者がその雑誌を読んでいるのか、自分の作品がその雑誌に載っていることが想像できるか、自分の作品がその雑誌に載ったとして雑誌の読者が支持してくれるか、いろいろと考えてみましょう。もっと簡単に考えれば、あなたの好きな作品がたくさん載っている雑誌であれば、その雑誌の方向性とあなたの感性が近いと言えるでしょう。


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