【質問と解答】

Q:芸大で日本画を専攻、27才までゲーム会社のデザイナーとして働き、その後会社を辞めて男性向けエロ漫画家としてデビューして単行本も数冊出た現在35歳の女です。子供が保育園に入れた事で時間が出来、青年向けアクション漫画が描きたくなり、1本読切り作品を描 いて10社ほど持込みに行きました。数社で担当さんがついて現在ネー ムの真っ最中なのですが、困っている事が3つあります。

 1つ目。ゼブラのGペンで人物を描いているのですが、どの編集部でも「描線が固い」と注意されました。持って行った別のネーム(青鉛筆の走り描きを他人が見ても読めるよう、ミリペンで上から走り描きしたもの)の勢いが本番の原稿で死んでいるそうです。

 2つ目。ゲーム会社で他人の絵を沢山扱っていたからか、作品によって絵柄が均一でない事を驚かれました(見本に持って行った単行本を見て)。描き分けは武器にもなるし、欠点でもあると。

 3つ目。話の展開が24Pのノルマ内でおさまりきりません。具体的な作品例として「ワ○○ースの第1話の様にル○ィの目的やキャラクター性のはっきりした話を描いて下さい」と言われました。が、申し訳無いのですが、私はその作品は好きでは無いので主人公や話に共感出来ません(人気がある理由は解るようには思います)。目指す漫画家さんは「動き」なら荒木飛呂彦先生、安彦良和先生、士郎正宗先生、「静止画」なら楳図かずお先生、乃木坂太郎先生、三輪士郎先生です。物語 はどの方も好きです。

A:1つ目の質問に対して。こればかりはペンタッチの練習を積むしかないですね。ただ、あなたはプロ歴もかなりある方ですから、癖が染みついてペンタッチを変えるのは難しいかもしれません。ミリペンだと勢いのある線が描けるのならば、いっそ画材をミリペンに変えてみるのも手かもしれません。新人の方には薦めないのですが、キャリアのある方が思い切ってタッチを変えるには、画材を変えるのも選択 の一つです。

 2つ目の質問に対して。絵柄が均一ではないというというのは、個性が確立していないということです。作品によって絵柄を描き分けられる器用さは、雑誌にとっては使い勝手がいいのですが、器用貧乏からくる読者への印象の弱さが総体的にはマイナスに働きます。

 3つ目の質問に対して。『ワ○○ース』に対する好き嫌いは別とし て、作品の構成には学ぶところは多々あるのではないでしょうか。『ワ ○○ース』に限らず、名作・ヒット作といわれる作品の多くは、第1話の構成が非常に 巧みです。担当の方も、別に『ワ○○ース』みたいな作品を描いてほしいと求めているわけではないと思いますよ。
 以上、いちおうお答えはしましたが、あなたの作風も絵柄もよくわかっている担当がついていらっしゃる(それも複数)のですから、その方々に直接よく相談してみてください。


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