【質問と解答】

Q:最近「原作者募集」の告知があちこちの雑誌でされてますが、基本的に漫画家の方はストーリーを作る能力の高い方ばかりだと思います。そんな中での一連の「原作者募集」の動きは何を狙っておられるのでしょうか?  何故こんなに募集が多いのでしょうか?。


A:漫画家というのは実に様々な才能と作業を要求される職業です。ストーリー面では企画・取材・設定・プロット・脚本(字コンテ)といった作業過程があり、 絵にもまたデッサン力・デザイン力・画面構成力・演出力等といった多彩な才能が要求されます。他のジャンルのクリエイターにとってはひとつの職業として成立する作業を、漫画家は一人でこなさなければなりません。しかも、絵は昔に比べてより緻密さが求められ、ストーリーにもより取材が必要になってきています。それでいながら、週刊、隔週刊、月刊といったハイペースな作品作りを求められます。そのような高い要求を満たしながら、なおかつ質の高い作品を生み出し続けることのできる作家は限られています。絵は描けても、ストーリーがつくれないために、掲載までに勉強に数年を費やさなければならないとしたら、その作家にとっても雑誌にとっても不幸です。そのために原作と漫画を分業させるという狙いがあるのです。原作者の存在理由はほかにもありますが、昨今の募集ラッシュの理由はそういうところにあると考えられます。


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