【質問と解答】

Q:私はひとつの出版社に作品発表しながら同時にもうひとつの出版社と打ち合わせ段階のルーキーです。
 後者にネームを提出した時、あることに気づきました。あそこの担当は好きなジャンルのネームしか読まない。コメディとアクション話のネームはちゃんと読みました。そして修正ポイントも評価も貰えました。しかし、シリアスとホラー話のネームは読み飛ばし、コメントは一切ない。最初は自分はシリアスな話が下手なのかもしれないと思ったのでしたが、同じネームでもひとつめの出版社の担当が評価して載せてくれました。
 ふたつめの出版社は結構大きいから、さまざまなジャンルの漫画を出版している。限られたジャンルの漫画ばかりを必要としているとは思えません。だから、せめて読み終えてから使えるか使えないか判断して欲しいのですが…。
 あの担当は単なる好き嫌いで生死を決めるとは思いたくないですが、編集者は“漫画読みのプロ”なら色々なジャンル漫画を(たとえ好きなジャンルじゃなくても)ちゃんと打ち合わせすべきじゃないですか? それでも、得意ジャンルのネームだけ読む、こういう担当もありうるのですか? こういう場合ならその担当の好きじゃないスタイルの漫画を彼に読ませる方法はありますか? それとも彼の好きなジャンルのネームだけ渡す方が得策ですか?

A:おっしゃることはもっともで、好きなジャンルのネームしか読まない編集者というのは、ちょっと考えられないですね。たとえば、雑誌の方針としてアクション物とかスポーツ物のジャンルを強化したいので、今はホラーは載りにくいとかいうことはあります。逆に別の雑誌では連載作にコメディが多すぎるので、ホラー作品が欲しいということもあるでしょう。また、作家の資質としてホラーよりもコメディが向いているんじゃないか、という編集者としての判断をすることもあるでしょう。しかし、担当編集者として、少なくとも作品の評価はちゃんとするべきだと考えます。私の場合、その上で雑誌の方針を語り、掲載にはハードルが高いジャンルだということを正直に話して、あえてそのネームを進めるかどうかの最終判断を作家に委ねています。あなたの担当編集者がどんな方なのかわかりませんが、雑誌の方針や個人の好き嫌いは別として作品をどう評価しているのか、直接問いただしてみてはいかがでしょうか。

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