【質問と解答】

Q:僕はマンガ家を目指しています。キャラクターを作るのが苦手です。あと、名前をつけるのもあまり好きではありません。何か、アドバイスをお願いします。

 A:キャラクターをゼロから創造するのは、なかなか難しいことですね。そこで、斉藤さんには、キャラクターのモデルを見つけることから始めてはいかがでしょうか。
 ひとつは、家族や友人、近所の人、先生、職場の人等、あなたの身近にいる人たちや、タレントなど、現実の人間をモデルにすることです。そのままモデルにしてもかまいませんが、外見や性別を入れ替えたり、趣味や特技を変えたりすると、さまざまなキャラクターのバリエーションができます。よく知ってる人なら、こんな時にどんな行動をとるだろう、どんなしゃべり方をするだろう、という予測がつくはずです。彼らをあなたのストーリーの中に放り込んで、それぞれの役柄を演じさせてみましょう。
 もうひとつは、マンガや小説、映画等のキャラクターをモデルにすることです。デフォルメされたキャラクターは、性格づけも現実の人間よりはっきりとしていてモデルにしやすいです。たくさんの作品を見ていると、個性的なキャラクターほど類似したキャラクターが多いことに気づくと思います。デフォルメされたキャラクターのパターンは実はそんなに多くはありませ ん。お気に入りのキャラクターを、あなたの世界観に放り込んでやるだけでオリジナルの作品ができます。同じ性格のキャラクターでも、ジャンルや世界観が変わるだけで、まったく違った印象になります。キャラクターをそのまま使うと、ただのパクリになりかねませんが、現実の人間をモデルにする時のように、デザインを変えたり、性別、年齢、職業、特技などの属性を入れ替えたりすることで、オリジナルキャラクターを作ることができます。
 たとえば、中学時代の自分を主人公にして、クラブは友人のA君が所属している剣道部、幼なじみのヒロインに隣のクラスの陸上部のB子さん、主人公の親友にファンタジー物の無口で毒舌のサブヒロインを男にして配置し、格闘物のライバルキャラをクラブの先輩として、学園スポーツマンガを描こう、などと考えてみましょう。モデルを設定することで、自分自身の中に個々のキャラクターに明確なイメージができますから、キャラがぶれるということがなくなります。
 名前については、知人の名前を借りたり(名字のみとか下の名前のみとか)することが多いです。ほかには、姓名辞典、電話帳から抜き出したり、好きな俳優やタレントの名前から取ることもあります。伝奇ものだと、四聖獣(青龍、白虎、朱雀、玄武)や八部衆(天、竜、夜叉、阿修羅、迦楼羅ほか)など、設定上重要なの名称の一部を使った名前にしたりすることもありますね。

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