【質問と解答】

Q:「連作ものの原作が完成して、ぜひ持ち込みのために、漫画化してくれる作画者を探そうと思っているのですが、一つ不安があります。それは、自分のアイディアが盗まれないかと言うことなんです。コンクールの募集要項に、未発表のオリジナル作品に限るとありますが、それは、以前他に見せた作品の場合、それは別の人が書いた作品かもしれないので、そこの判断がつかなくなってしまうからなんですよね?
 それなら、作画者を探すために、たくさんの漫画家の人に自分の作品を見てもらった時点で、コンクールには応募ができないと言うことになってしまうのでしょうか?
 例えコンクールに応募しないとしても、やっと作画者が見つかって、いっしょに漫画を描いている時に、全く同じような話が某雑誌で連載を始めている。と言ったようなことにはならないのでしょうか? あと、作画者を探そうと色々なサイトを見たのですが、なかなかそういう出会いの見つかるサイトがありません。なにか良い所を知っていたらよろしくお願いします」


 作画者との関係は個人の信頼関係です。あなた自身が個人で作画者を探す場合、相手を信頼できるかどうかはあなた自身の問題です。作画を任せるマンガ家と知り合うためにどのようなサイトを探そうと、個人間でサイト管理者に責任を問うことはできません。まず、組んでみたいマンガ家と知り合い、信頼できる人物かどうかあなた自身が判断することです。
 ちなみに、原作者・マンガ家のコンビでマンガ賞に応募する場合は、昔からの友人同士、恋人、夫婦、編集者の紹介した相手といったケースが大半です。メールを拝見すると、作画候補となるような友人の方はいないようですが、マンガ賞を目前にしての急造のコンビはあまり推奨できません。盗作の危険性云々だけでなく、信頼関係が十分に築けていないと、演出の方向性の相違やセリフやエピソードの変更をめぐってのトラブルが起きかねません。
 作画者を探すのが困難ならば、原作を編集部に持ち込んではいかがでしょうか。マンガ賞に原作部門を設けているところは少ないですが、どこのマンガ編集部でも常に才能ある原作者を求めています。事前にアポイントをとって直に持ち込みましょう。郵送はなるべくさけた方がよいです(黙殺されることがあるので)。また、原作は読むのに時間がかかるので、その場で読んで批評してもらえることはまれです。そこで、400字以内の梗概(あらすじ)を別に用意しておくことをお勧めします。編集者から作品の売りやコンセプトを尋ねられてすぐに答えられるよう、心構えもしておきましょう。
 あなたの原作を気に入ってもらえれば、マンガ家を紹介してくれることでしょう。その相手はベテランのプロ作家の場合もあればあなたと同じような新人マンガ家の場合もあります。プロ作家とのコンビならば即掲載や連載という可能性も大です。紹介相手が新人マンガ家で、あらためて投稿というケースでも、大手出版社の編集部の紹介なら盗作の危険性はまずありません。 原作が評価されない場合でも、プロの編集者の厳しい目で見た批評や何かしらのアドバイスがもらえます。

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