プロとして活躍しているマンガ家さんたちもかつては新人さんだった(あたりまえだけど)。新人のマンガ家さんにとってデビューは良きにつけ悪しきにつけ、忘れられないターニング・ポイント。このコーナーでは、マンガ家さんのデビューの頃の話を質問形式で語ってもらいます。
【第55回目のゲスト/ときた洸一】
【ときた洸一先生への30の質問】
  • デビューはいつ頃ですか?
    専門学校を卒業して、数年修行(笑)したあとです
  • デビュー作のタイトルは?
    雑誌やメーカーのイラストの仕事から業界にかかわっていたのですが、
    ディオラマ写真と漫画を組み合わせた作品

    『彗星戦隊フルーティV(ファイブ)』かなぁ。
    漫画誌で担当がついた初作品は『コインダマン』です


  • デビュー作の簡単なストーリーを教えてください
    『フルーティV』はいわゆる美少女戦隊モノ。
    『コインダマン』はお金をモチーフにしたキャラのショートギャグ。
    どちらもタイアップ企画です

  • デビュー作でもっとも描きたかった事は?
    そういうレベルではなかったので、作品を仕上げるのに手一杯でした(苦笑)

  • デビューした雑誌は?
    「モデルグラフィック」。『コインダマン』は「コミックボンボン増刊号」です

  • どのような形でデビューしましたか?(マンガ賞受賞作、持ち込み作など)
    師匠のモデラー小澤勝三さんに「お前、描け!」と言われたので(笑)。
    ボンボンもイラストの仕事をずっとさせていただいていて
    「読み切りギャグだけど、描いてみる?」とお声をかけていただいたので

  • デビュー作はマンガを描き始めてどのくらい(期間)でしたか?
    ちゃんとした漫画はそれが初めてですね。
    鉛筆の落書きは子供の頃から描いてましたけど

  • またそれは何作目ぐらいでしたか?
    そういう意味では1作目?
    漫画っぽいイラストはたくさん描いていましたが

  • その頃の本業(学生、フリーターなど)はなんでしたか?
    イラストレーター&キャラデザイナーかな?偉そうに言うと(笑)。
    実際はニートっぽいかも・・・

  • その頃は本気でマンガ家を目指していましたか?
    絵で食べられればいいなぁ・・・くらいでした(笑)。
    漫画の仕事もイラストの仕事の一部って感じでしたね


  • もしマンガ家としてデビューしていなければどんな仕事につくつもりでしたか?
    そのままイラストで食べていければ それでもOKです

  • マンガ家デビューの際の家族の反応はいかがでしたか?
    まぁ「ちゃんと仕事しているな」程度でしょうか(笑)。
    とくに何の仕事をしているとは細かく報告してませんでしたから。
    大手出版社の仕事をしていると安心しているようでしたけど

  • 目標としていたマンガ家さんがいたら教えてください
    とくに無いですね。先輩方は尊敬していますが、
    自分とは方向が違うと思っているので

  • そのマンガ家さんのどこにひかれていましたか?
    みなさん それぞれ魅力があって素晴らしいです!

  • デビュー作の原稿料または賞金は何に使いましたか?
    テレビ買いました、ソニーの21型プロフィールスター!(笑)

  • デビューが決まった時の感想は?
    「うわ〜、大変な仕事が来ちゃった」(笑)。可愛くないですね(笑)

  • デビュー作が実際に雑誌に掲載された時の感想は?
    「ちゃんと本になったよ、すごいなぁ〜・・・うわぁ、ヘタでゴメンなさいっっ!!」

  • デビュー前後でマンガに対する考えかたに変化はありましたか?
    当時はイラストだけの仕事に比べて、漫画は注目度がかなり大きいと思いました。
    それだけ描けば描くほどプレッシャーは大きくなっていきました。
    なので、どんなマンガ家さんも「みんなスゴいなぁ!」と思います

  • デビューの頃、編集者と打ち合わせをどの程度していましたか?
    『フルーティ』は基本的にお任せでした。企画の一部分みたいなものでしたから。
    『コインダマン』では担当さんにコンテ、下書き、線画など見ていただき

    アドバイスをもらえました

  • その頃編集者との打ち合わせでためになった事は?
    講談社の担当さんから「輪郭線はマジックで描いた方が作品にあってるよ」と。
    キチンとGペンで描かなければいけないと思っていたので、むしろ目から鱗でした


  • 逆に編集者との打ち合わせで苦労したのはどんなときですか?
    その後、ボンボンで漫画を連載させていただけるようになったのですが
    その時の担当が大卒の新入社員で お互いちゃんとした漫画の描き方が

    判らないという無茶苦茶(笑)。
    「見開きって大きな紙に描けばいいんですか?」

    「さぁ・・・いいんじゃないですか?」みたいな(笑)

  • 編集者との打ち合わせなどはどのような形でしていましたか?
    連載当初はファミレスでプロットを検討して、コンテが出来たらチェックしてもらうという段取りでした

  • 編集者とのつきあいで思い出に残るエピソードがありましたら教えてください
    ベテランの編集さんの昔話など、生の現場の話など聞けるのも楽しいですね。
    「漫画の神様」の話とか(笑)

  • デビューの頃、良きライバルとか、語り合えるマンガ家さんはいましたか?
    いません。
    マンガ家の友達は今もあまりいません(笑)

  • デビューの頃、マンガ家として成長していくために特に何かした事、勉強した事などはありますか?
    資料はたくさん集めてます。
    今ではインターネットが良い情報源になります。使い方は難しい部分もありますが

  • デビューの頃、マンガ家として特に何か悩んだ事などはありますか?
    連載当初は「こんなにキツい事」は生涯初めてでした。
    過去のどんな体験より精神的、体力的にキツい!
    描いている作品に納得がいかないのは今も同じです(苦笑)


  • デビュー作を今の自分が再評価すると100点満点中何点?
    30点くらい

  • またその理由は?
    下手な絵は許せませんが(笑)、よくがんばったので

  • マンガ家としてデビューするために必要な事はなんだと思いますか?
    「運」ですね。
    自分の力を引き出してくれる良い編集さんに出会えるのも「運」ですから

  • これからマンガ家を目指す人達になにか一言
    その「運」を呼び込むためには ただボーっとしていてはダメだと言うことです。
    「運」でデビューできても その後は努力。
    ありきたりですが、がんばれ!!
 1961年、千葉県出身。
「月刊モデルグラフィックス」で商業誌デビュー。
出版、模型、玩具、ゲームソフトなどのデザイン、イラストなどをてがける。
マンガ家としては「コミックボンボン」「テレビマガジン」で数作のキャラクター物の読み切りを描いたのち 『コンパチSDワールド(後に『ザ・グレイトバトル3』でコミックスに)』を連載。
 その後『機動武闘伝Gガンダム』からガンダムコミックスを作画し、現在まで多くのガンダムコミックスを描き続けている。
 2008年現在、SDガンダム20周年記念作品『SDガンダム三国伝 風雲豪傑編』(講談社)、最新テレビシリーズ公式外伝『機動戦士ガンダム00F』(角川書店)、ヒットシリーズの第5作『機動戦士ガンダムSEED FRAME ASTRAYS』(メディアワークス) を展開中で多忙な日々をおくっている。
 
ホームページ

「ときた洸一総合カタログ」
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